“ひょうびょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
縹渺62.8%
漂渺22.1%
縹緲12.8%
縹眇2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
全体に縹渺ひょうびょうとした詩境であって、英国の詩人イエーツらがねらったいわゆる「象徴」の詩境とも、どこか共通のものが感じられる。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
もうそうなると情慾じょうよくもなく恋愛もありません、………私の心に感じたものは、そう云うものとはおよそ最も縁の遠い漂渺ひょうびょうとした陶酔でした。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
訶和郎の死体は、眼下に潜んだ縹緲ひょうびょうとした森林の波頭の上で、数回の大円を描きながら、太陽の光にきらきらと輝きつつ沈黙した緑の中へ落下した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そして、貪り恋ふる目標物の縹眇ひょうびょうとして捕捉し難いのにも自分ながら驚かれた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)