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欷歔
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すゝりなき
ふりがな文庫
“
欷歔
(
すゝりなき
)” の例文
開いた
領飾
(
えりかざり
)
の間から、半分露はれてゐる頸は、劇しい感情の為めに波立ち、
欷歔
(
すゝりなき
)
の為めに張つてゐる。先づこんな美しい顔である。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
と答へると、トルストイは急に
欷歔
(
すゝりなき
)
をし出した。そして子供のやうにおい/\声を立てて泣き出すので、息子のイリヤも屏風の裏でしく/\泣き入つたといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しかし幸にもこの残雪の泥濘の路を墓参にやつてくるものもなく、あたりはしんとして、唯
欷歔
(
すゝりなき
)
の声のみが何物にもさまたげられずに微かに野に近い空気に雑り合つた。
百合子
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
女は
欷歔
(
すゝりなき
)
をして立ち上つて庵室を出た。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
例の如く猛烈な
罵詈
(
ばり
)
やら、鈍い不平やら、
欷歔
(
すゝりなき
)
やら、悲鳴やらがあつて、涙もたつぷり流された。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
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この罪になるといふ言葉に出会つて、かの女はまた
欷歔
(
すゝりなき
)
した。
百合子
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
幾度
(
いくたび
)
か挫折して飽までも屈せず、力を
量
(
はか
)
らずに、美に向つて進む生涯である。その話の内に、余り悲しい出来事が出て来ると、青年は
欷歔
(
すゝりなき
)
をして跡を話す事が出来なくなる。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
女は低い
欷歔
(
すゝりなき
)
の音を立てた。
アンナ、パブロオナ
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
欷
漢検1級
部首:⽋
11画
歔
漢検1級
部首:⽋
16画
“欷”で始まる語句
欷
欷咽
欷声
欷泣