“欷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すす37.5%
12.5%
しゃく12.5%
すゝ12.5%
そば12.5%
そばだ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お美代は到頭、両手でうた顔を、お婆さんの布団の端に伏せた。やがてすすきは、声にまでなって来た。
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
垣根の間から立派なおやしきが見えるよ。さつき赤ん坊のいてゐたおやしきだ。たくさんあかりがついてゐる。随分ひろびろしたお庭だ。もう赤ん坊は欷いてゐない。きつとお乳をんでゐるんだね。
水に沈むロメオとユリヤ (新字旧仮名) / 神西清(著)
東助はしゃくり上げて
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
彼女に取っては初孫ういまごであったお俊を、どんなに心から愛して居たか分らなかった——絶え間もないすゝり泣の声が、はじめは死にかけて居るおかんの胸をも、物悲しく掻き擾さずには居なかった。
極楽 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ながら耳をそばだて聞きいると、かかよ、明朝早く起しくれ、灰色坊主のうち一疋はよほど肥えているから殺して塩すると大儲けのはずと言う。
天の成せる麗質と相俟って往来の人々の眼をそばだて別ても若い女などは立ち止まって見たり振り返って眺めたり去り難い様子を見せるのでした。
天草四郎の妖術 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)