“すゝ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
24.3%
21.6%
16.8%
9.3%
5.2%
5.2%
3.7%
2.6%
2.2%
1.9%
0.7%
0.7%
慫慂0.7%
0.7%
0.4%
0.4%
促進0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此方こちら焚火たきびどころでい。あせらしてすゝむのに、いや、土龍むぐろのやうだの、井戸掘ゐどほり手間てまだの、種々いろ/\批評ひひやうあたまからかぶせられる。
親仁おやぢわめくと、婦人をんな一寸ちよいとつてしろつまさきをちよろちよろと真黒まツくろすゝけたふとはしらたてつて、うまとゞかぬほどに小隠こがくれた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのといつたら美しい女のすゝり泣きをするやうな調子で、聴衆ききては誰一人今日までこんな美しい音楽を耳にした事はないらしかつた。
と申しても、まさか借物の編笠をおすゝめするわけに行かないから、佐々見氏が用意のため持參した御編笠をお着せしようとする、と
一寸ちよつとたまへ」とつて、燐寸まつち瓦斯ガス煖爐だんろいた。瓦斯ガス煖爐だんろへや比例ひれいしたごくちひさいものであつた。坂井さかゐはしかるのち蒲團ふとんすゝめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
高池町の林業試験場が、気がむかなければ、同じ、和歌山の伊都郡九度山町の、高野営林署にも、君の行くポストはあると、その友人はすゝめてくれた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
勘次かんじこゝろよくおつぎにめいじた。おつぎはふる醤油樽しやうゆだるから白漬しろづけらつきやう片口かたくちしておつたのそばすゝめた。勘次かんじは一つつまんでかり/\とかじつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
みねあり、てんさへぎり、せきあり、とざし、うますゝまず、——うますゝまず。——孤影こえいゆきくだけて濛々もう/\たるなかに、れば一簇いつそうくも霏々ひゝとしてうすくれなゐなるあり。かぜたゞようてよこざまにいたる。れぬ。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あやまちなどは無いことゝ存じますが、只今申上げました通り潔白な気性でございますゆえ、ひとから恥辱でも受けました節は、その恥辱をすゝぐまでは
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
明し申たし必ず御世話は御無用と云にぞ老女は然ばとてたらひに水を汲て友次郎に足をすゝがせ圍爐裏に柴を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さて長二はお母が貧乏の中ですゝぎ洗濯や針仕事をして養育するのを見かね、少しにても早くお母の手助けになろうと、十歳の時自分からお母に頼んで清兵衛親方の弟子になったのですから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あゝ自分の妻だ!」胸の動悸は急に高まつて來た。如何樣どうしたのだ、一所に下りて行かう、とすゝめると、視線を落したまゝ動かない。小兒等は俄かに泣き出した。
(旧字旧仮名) / 吉江喬松吉江孤雁(著)
働き顔に上人の高徳をべ説き聞かし富豪を慫慂すゝめて喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素ひごろより随喜渇仰の思ひを運べるもの雲霞の如きに此勢をもつてしたれば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
成程気がついてみると、道命は前の夜和泉式部とい事をした口を、そのまゝすゝがないでお経を誦んでゐたのだつた。
ジョンが今私にすゝめて呉れる仕事は本當に、人間のなし得る、云ひ換へれば神の命じ給ふ最も光榮ある仕事ではないだらうか。
僕のやうに考へるのです、ジエィン——僕の通りに信じるのです。僕がすゝめてあなたをりかゝらせようとするのは、世の岩なる基督ですよ。
さあ/\御緩ごゆつく御拜おをがみをなさりまし、おまをしますとも、てまへは。……貴下あなたをおすゝぎなさるなんのと、加減かげん水惡戲みづいたづらをなさつて、たもと引摺ひきずると不可いけません。さあ、そでちませう。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「……でもすゝいで、此處こゝからおまゐりをしてかへらうとおもふんだから、」
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たづねてい、と眞先まっさき促進すゝめたもこひなれば、智慧ちゑしたもこひしたもこひわし舵取かぢとりではないけれども、此樣このやうたからようためなら、千荒海あらうみの、其先そのさきはまへでも冐險ばうけんしよう。
まだすべてがねむりからはなれぬうち皆悉みんなくちすゝいでつてねばならぬのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
藥種屋 こゝろすゝみませねど、貧苦ひんくめがお言葉ことばしたがひまする。
彼女に取っては初孫ういまごであったお俊を、どんなに心から愛して居たか分らなかった——絶え間もないすゝり泣の声が、はじめは死にかけて居るおかんの胸をも、物悲しく掻き擾さずには居なかった。
極楽 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そんなことを言つて、お粂はすゝめ上手でした。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
盡し神佛かみほとけへも祈りしかど其しるしかつてなく後には半身はんしん叶はず腰も立ねば三度のしよくさへ人手をかりるほどなれどもお菊は少しも怠らず晝は終日ひねもす賃仕事ちんしごと或ひはすゝ洗濯せんたく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
庄馬鹿は洗足すゝぎの湯を汲んで持つて来る。疲れて、がつかりして、蔵裏くりあががまちに腰掛け乍ら、雪の草鞋わらぢほどいた後、温暖あたゝかすゝの中へ足を浸した時の其丑松の心地は奈何どんなであつたらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ほどこされたりめづらしき氣象きしやうの先生なれば近郷近在きんがうきんざいにては生神いきがみ先生々々せんせい/\と人々がうやまくらゐなり夫に又我等の處は格別かくべつ御贔屓ごひいきにて女房ははり仕事を能する故後家で居た時分には後藤先生のすゝ洗濯せんだくから衣類を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
旦那さまのすゝぎ洗濯まで丹誠して、御介抱申し上げて居りましたゆえ、丈助や、手前てまいのお蔭で己は助かる、再び屋敷へ帰参することも有れば、屹度きっと侍に取立やりたって遣ると仰しゃって入らっしゃる事は