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薦
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すゝ
ふりがな文庫
“
薦
(
すゝ
)” の例文
『暑いでせう外は。
先刻
(
さつき
)
から眠くなつて/\
爲樣
(
しやう
)
のないところだつたの。』と富江は椅子を
薦
(
すゝ
)
める。年下の弟でも
遇
(
あし
)
らふ樣な素振りだ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
一寸
(
ちよつと
)
待
(
ま
)
ち
給
(
たま
)
へ」と
云
(
い
)
つて、
燐寸
(
まつち
)
で
瓦斯
(
ガス
)
煖爐
(
だんろ
)
を
焚
(
た
)
いた。
瓦斯
(
ガス
)
煖爐
(
だんろ
)
は
室
(
へや
)
に
比例
(
ひれい
)
した
極
(
ごく
)
小
(
ちひ
)
さいものであつた。
坂井
(
さかゐ
)
はしかる
後
(
のち
)
蒲團
(
ふとん
)
を
薦
(
すゝ
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この篇は世の宗教的経験深き人に示さん為めにはあらずして
唯
(
た
)
だ
心洵
(
まこと
)
に神を求めて宗教的生活に入らんとする世の多くの友に
薦
(
すゝ
)
めんとて
也
(
なり
)
。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
それは汽車の窓から買取つたもので、其色の赤々としてさも甘さうに熟したやつを、
択
(
よ
)
つて丑松にも
薦
(
すゝ
)
め、弁護士にも薦めた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
一夕
(
いつせき
)
、松川の
誕辰
(
たんしん
)
なりとて奥座敷に予を招き、
杯盤
(
はいばん
)
を排し
酒肴
(
しゆかう
)
を
薦
(
すゝ
)
む、
献酬
(
けんしう
)
数回
(
すくわい
)
予は酒といふ
大胆者
(
だいたんもの
)
に、幾分の力を得て
積日
(
せきじつ
)
の屈託
稍
(
やゝ
)
散じぬ。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
八五郎は首を
縮
(
ちゞ
)
めて
薦
(
すゝ
)
めるのです。無遠慮に突つ込み過ぎて、お勢お
茂世
(
もよ
)
の父親——大瀧清左衞門に小つぴどくやられたことを思ひ出したのでせう。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
正しき
嗣子
(
よつぎ
)
等に
薦
(
すゝ
)
むるごとく彼その兄弟達に己が最愛の女を薦め、まめやかにこれを愛せと命じ 一一二—一一四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
御覽
(
ごらん
)
と
其所
(
そこ
)
へ
置
(
おけ
)
ばお光は
會釋
(
ゑしやく
)
し
行燈
(
あんどう
)
を
引寄
(
ひきよせ
)
頻
(
しき
)
りに見る
側
(
そば
)
で茶を
汲
(
く
)
み
菓子
(
くわし
)
を
薦
(
すゝ
)
めながら其の
横顏
(
よこがほ
)
をつく/″\と
眺
(
なが
)
めて
意
(
こゝろ
)
に
思
(
おも
)
ふやう
自分
(
じぶん
)
の方から
更
(
ふく
)
るを待ち
親
(
おや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
女主人は酒もち來りて
薦
(
すゝ
)
めたり。その味はいとめでたかりき。我等は杯を擧げてあるじの健康を祝したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
則
(
すなは
)
ち
新著百種
(
しんちよひやくしゆ
)
の
出版元
(
しゆつぱんもと
)
です、第二は
文学士
(
ぶんがくし
)
高田早苗
(
たかださなゑ
)
君
(
くん
)
、
私
(
わたし
)
が
読売新聞
(
よみうりしんぶん
)
に
薦
(
すゝ
)
められた、第三は
春陽堂
(
しゆんやうどう
)
の主人
故
(
こ
)
和田篤太郎
(
わだとくたらう
)
君
(
くん
)
、
私
(
わたし
)
の新聞に出した小説を
必
(
かなら
)
ず
出版
(
しゆつぱん
)
した人、
其
(
そ
)
の
吉岡君
(
よしをかくん
)
が来て
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一つの町——大さう大きな町——で、馬車は
停
(
とま
)
つた。馬が
外
(
はづ
)
されて、乘客たちは、晝食のために
降
(
お
)
りた。私は、
旅籠屋
(
はたごや
)
へ連れて行かれた。そこで、車掌は、私に食事をすることを
薦
(
すゝ
)
めた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
人を
薦
(
すゝ
)
むるは先づ其能を示すに
若
(
し
)
かず。これを示して伯の信用を求めよ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
是
(
かく
)
の如き才を
草莱
(
さうらい
)
に埋めて置かないで、下総守になり
鎮守府
(
ちんじゆふ
)
将軍になりして其父の後を
襲
(
つ
)
がせ、朝廷の為に用を為させた方が、才に任じ能を挙ぐる
所以
(
ゆゑん
)
の道である、それで或は将門を
薦
(
すゝ
)
むる者もあり
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
其所
(
そこ
)
迄
(
まで
)
買物
(
かひもの
)
に
出
(
で
)
たから、
序
(
ついで
)
に
寄
(
よ
)
つたんだとか
云
(
い
)
つて、
宗助
(
そうすけ
)
の
薦
(
すゝ
)
める
通
(
とほ
)
り、
茶
(
ちや
)
を
飮
(
の
)
んだり
菓子
(
くわし
)
を
食
(
た
)
べたり、
緩
(
ゆつ
)
くり
寛
(
くつ
)
ろいだ
話
(
はなし
)
をして
歸
(
かへ
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
机の上には例の『懴悔録』、読伏せて置いた其本に気がついたと見え、急に丑松は片隅へ押隠すやうにして、白い毛布を座蒲団がはりに出して
薦
(
すゝ
)
めた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
又一人の我
臥床
(
ふしど
)
の下に
蹲
(
うづく
)
まりて、もろ手もて顏を掩へるあり。ロオザの我に一匙の藥水を
薦
(
すゝ
)
めつゝ熱は去れりと云ふ時、蹲れる人は
徐
(
しづ
)
かに起ちて室を出でんとす。われ。ララよ、暫し待ち給へ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
崇高さがないが——二人の結婚を
薦
(
すゝ
)
めることに、強く心を傾けてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
原田に命ぜられて入れは入れたが、主に
薦
(
すゝ
)
めるに忍びないで自ら食つたと云ふのである。此事は丹三郎が前晩に母に打明けて置いたので、母も
刄
(
やいば
)
に伏したさうである。亀千代はもう十歳になつてゐた。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
とは言ふものゝ、何気ない様子を
装
(
つくろ
)
つて、自分は座蒲団を敷いて座り、客には白い毛布を四つ畳みにして
薦
(
すゝ
)
めた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
清
(
きよ
)
にいひ
付
(
つ
)
けて
膳立
(
ぜんだて
)
をさせて、それを
小六
(
ころく
)
に
薦
(
すゝ
)
めさした
儘
(
まゝ
)
、
自分
(
じぶん
)
は
矢張
(
やは
)
り
床
(
とこ
)
を
離
(
はな
)
れずにゐた。さうして、
平生
(
へいぜい
)
夫
(
をつと
)
のする
柔
(
やはら
)
かい
括枕
(
くゝりまくら
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
て
貰
(
もら
)
つて、
堅
(
かた
)
いのと
取
(
と
)
り
替
(
か
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
薦
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
“薦”を含む語句
推薦
竪薦
薦筵
薦包
薦骨
薦張
薦枕
横薦
薦僧
苅薦
荒薦
薦被
薦蓆
薦椎
薦縄搦
薦延
食薦
薦草
薦達
薦野
...