“薦包”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こもづつみ66.7%
こもづつ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
麦秋むぎあきだ。一年に二度ずつ黄色くなる野面のらが、私達の両側にあった。既に刈取られた麦畠も多かった。半道ばかり歩いて行く途中で、塩にした魚肉の薦包こもづつみを提げた百姓とも一緒に成った。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と呼ぶ善どんを先触さきぶれにして、二三人の若い手合が大きな薦包こもづつみの荷を店の入口から持込んだ。大勝の連中のなかでは一番腕力のある吉どんが中心となって、太いなわつかみながら威勢よく持込んで来た。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その薦包こもづつみの固い山を攀登よじのぼって暗い天井の方へ突進して行くと、藁のにおいがふと興奮をそそる。見下ろす足許は深い谷底になっていた。
昔の店 (新字新仮名) / 原民喜(著)