すゝ)” の例文
新字:
「さればにてさふらふ別段べつだんこれまをしてきみすゝたてまつるほどのものもさふらはねど不圖ふと思附おもひつきたるは飼鳥かひどりさふらふあれあそばして御覽候ごらんさふらへ」といふ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と申しても、まさか借物の編笠をおすゝめするわけに行かないから、佐々見氏が用意のため持參した御編笠をお着せしようとする、と
五番ごばんめの石上いそのかみ中納言ちゆうなごんつばめ子安貝こやすがひるのに苦心くしんして、いろ/\とひと相談そうだんしてのち、ある下役したやくをとこすゝめにつくことにしました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
調とゝのへ來り左右とかくもの事はいはひ直さばきよきちへんずべしと申すゝめ兩人して酒宴しゆえんもよほせしが靱負ゆきへは元よりすきさけゆゑ主が氣轉きてんあつがんに氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また女が出て來て、う言つてすゝめたけれど、二人とも此のへやを動きたくはなかつた。女が去つてから、小池は莞爾々々にこ/\として
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
にぎやかだよ。一寸ちよつとつて御覽ごらん。なに電車でんしやつてけばわけはない」とすゝめた。さうして自分じぶんさむさに腐蝕ふしよくされたやうあかかほをしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ことながあひだ野田のだ身上しんしやうつて近所きんじよくら親方おやかたをしてるのが郷里きやうりちかくからたので自然しぜん知合しりあひであつたが、それが卯平うへい引退いんたいすゝめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
また醫員いゐんのハヾトフも時々とき/″\ては、何故なにゆゑかアルコール分子ぶんしはひつてゐる飮物のみものせ。ブローミウム加里かりめとすゝめてくので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
我にすゝめて再び汝——この徳を慕ふ者なる——と語らしむ、されば請ふ、望みの汝に何を約するやを告げよ。 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
むしさら上層じようそうのぼるか、あるひ屋上おくじよう物干場ものほしば避難ひなんすることをすゝめるのであるが、實際じつさいかういふ賢明けんめい處置しよちられたれいしば/\みゝにするところである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
〔評〕南洲を病む。英醫偉利斯いりす之をしんして、勞動らうどうすゝむ。南洲是より山野に游獵いうれふせり。人或は病なくして犬をき兎をひ、自ら南洲を學ぶと謂ふ、なり。
私はこの決心をきいて驚いたとも云はなければまたそれを思ひ止まるやうにとすゝめもしなかつた。「その仕事は、あなたにはまつたくよく合つてゐるでせう、」
子供こども兩足りようあしとらへてさかさにつるし、かほそとけて、ひざもてせなかくとふのですさうすれば、かつての實驗じつけんよつるから、これツてれと熱心ねつしんすゝめました
夫人ふじんとも/″\せつすゝめるので、元來ぐわんらい無遠慮勝ぶゑんりよがちわたくしは、らば御意ぎよゐまゝにと、旅亭やどや手荷物てにもつ當家たうけ馬丁べつとうりに使つかはし、此處こゝから三人みたり打揃うちそろつて出發しゆつぱつすることになつた。
きみ御存知ごぞんぢごと病後びやうごせき字社じしや醫者いしやすゝめられて二ヶ月間げつかんこの湯原ゆがはら滯在たいざいしてときである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
すゝむるが例なりと質朴にしてまた禮ありとたゝへ皆な快く汲む終りて梅花道人は足のつかれ甚だしければ按摩あんまを取らんとてよぶいろ/\なぶりて果は露伴子も揉ませながら按摩あんまに年を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
ロミオ なう、ひめすゝめてくだされ、この晝過ひるすぎに、なんとか才覺さいかくして懺悔式ざんげしきらるゝやう。あのロレンス殿どの庵室あんじつで、懺悔ざんげしきまして婚禮こんれいするこゝろなれば。こりゃ骨折賃ほねをりちんぢゃ。
葉書はがきかずが五百まいたつしたとき、とう/\教頭けうとうおくさんがきだしてをつと辭職じしよくすゝめた。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
西八條の屋方やかたに花見のうたげありし時、人のすゝめにもだし難く、舞ひ終る一曲の春鶯囀に、かずならぬ身のはしなくも人に知らるゝ身となりては、御室おむろさとに靜けき春秋はるあきたのしみし身のこゝろまどはるゝ事のみ多かり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
大言たいげんきしむかしこゝろはづかしさよれがこのんで牛馬ぎうばかはりに油汗あぶらあせながし塵埃ぢんあいなかめぐるものぞ仕樣しやう模樣もやうきはてたればこそはじ外聞ぐわいぶんもなひまぜにからめててたのつまり無念むねん殘念ざんねん饅頭笠まんぢうがさのうちにつゝみてまゐりませうとこゑびくすゝめるこゝろいらぬとばかりもぎだうにひとそれはまだしもなりうるさいは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今夜こんや御誘おさそまをしますから、これから夕方ゆふがたまでしつかり御坐おすわりなさいまし」と眞面目まじめすゝめたとき、宗助そうすけまた一種いつしゆ責任せきにんかんじた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
平生へいぜいよくつかへくれ、しきこととてさらし、此度このたびとりすゝめしも、おもうての眞心まごころなるを、なにとてあだにおもふべき。じつうれしくおもひしぞよ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
邪魔じやまいたつみなき者に罪を離縁りえん仕つりしにより私し共路頭ろとうまよひ候を村内の者共たつすゝめにまかせ里儀を惣内妻にいた候夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もし邪慾汝等に他のみちすゝめなば、汝等人たれ、おろかなる羊となりて汝等の中の猶太人ジュデーアびとに笑はるゝなかれ 七九—八一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
午餐ひるうちものからもどつてめしべた。ちつとはどうだとおふくろすゝめられても勘次かんじたゞ俯伏うつぶしつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
僕は顳顬こめかみを『誘惑』の胸に休め、進んで、首を彼女の花の鎖のもとに置いて、彼女のすゝめる盃を口にしました。枕は燃えて、花環の中に毒蛇がゐる。酒はにがい。
それに毒湯と思ふのは、平次の單なる疑ひで、實は本當の藥湯をすゝめて居るのかもわからないのです。
『サア、これから獅子狩しゝがりだ/\。』といさみすゝめるのを、わたくしやうやくこと押止おしとめたが、しからばこのしま御案内ごあんないをといふので、それから、やまだの、かはだの、たにそこだの、深林しんりんなかだの
其中そのうちひめ目覺めざめしゆゑ、てんせるわざ是非ぜひおよばず、ともかくてござれ、とすゝむるうちに、ちかづく人聲ひとごゑわれらおどろ逃出にげいでましたが、絶望ぜつばうあまりにや、ひめつゞいてまゐりもせず
きぬには出逢であはなかつた。あたまへである。ぼくその翌日よくじつしさうなそらをもおそれず十國峠じつこくたうげへと單身たんしん宿やどた。宿やどものそうがゝりでめたがかない、ともれてけとすゝめても謝絶しやぜつ
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
と、かれさらつゞけて。『全體ぜんたいきみ不自由ふじいう生活せいくわつをされてゐるので、いへへば清潔せいけつでなし、きみ世話せわをするものし、療治れうぢをするにはぜにし。ねえきみ、で我々われ/\せつきみすゝめるのだ。 ...
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
うかしたかとたづねると、たゞすこ心持こゝろもちわるいとこたへるだけであつた。醫者いしやもらへとすゝめると、それにはおよばないとつてはなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
よき屋敷やしき方へ御奉公に差上るなりといひすゝ彼惡婆かのあくばのお定を三次が出入の御屋敷の老女と爲し御取替とりかへ金などと僞りてわづかの金子をお安に與へ妹娘のお富を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
幼君えうくんこれを御覽ごらうじて、うれしげにえたまへば、かのすゝめたる何某なにがし面目めんぼくほどこして、くだんかご左瞻右瞻とみかうみ、「よくこそしたれ」と賞美しやうびして、御喜悦おんよろこび申上まをしあぐる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その所縁ゆかり家族やからともあがめられき、あゝブオンデルモンテよ、汝が人のすゝめをれ、これとえにしを結ぶを避けしはげにいかなるわざはひぞや 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
其處そこで、貴方あなたすゝめるのです貴方あなた石炭焚せきたんたきだの、料理方れうりかただのつて、其樣そん馬鹿ばか眞似まね出來できるものでいから、それよりは、この鐵檻車てつおりぐるま製造せいぞうにお着手かゝりなすつては如何いかゞです
「ジエィン、」と私共が月桂樹の並木道に這入つて、低い垣と七葉樹の方へゆつくりと歩を運んだとき、彼は、すゝめるやうに私に云つた。「ソーンフィールドは夏はいゝ處ですねえ?」
到頭たうとうむら紹介業せうかいげふをしてものすゝめにまかせ卯平うへいがいふまゝ奉公ほうこうしたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
私が附いて居て、嫁入前の娘に怪我なんかさせて——そんな事があらうとは思ひませんから、私がすゝめて洗濯せんたくを始め、日が暮れてから二度目の大釜の湯を、お六に井桁ゐげたへ置かせたのが惡かつたんです。
こゝくだんむすめたるや、いまもおはなししたとほり、吉原よしはらことはぢとし、待合まちあひこといやだとつた心懸こゝろがけなんだから、まあはたからすゝめても、結綿いひわたなんぞにはうよりは
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ガラツ八は見兼ねていろ/\すゝめましたが
新田しんでん太郎兵衞たろべゑがうまいことつた。小助こすけふさぐなら蚯蚓みゝずせんじてませろと。なにが、くすりだとすゝめるものも、やれ赤蛙あかがへることの、蚯蚓みゝずことの、生姜しやうがれずの煎法せんぱふで。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)