“謝絶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ことわ65.6%
ことわり12.5%
しゃぜつ6.3%
しやぜつ6.3%
ことは3.1%
ことわる3.1%
シャゼツ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この猛烈なる悪態あくたいで浮足立った人が総崩そうくずれになって、奔流ほんりゅうの如く逃げ走る。兵馬に槍を貸すことを謝絶ことわった役人連中までが逃げかかる。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
有ったってそれを渡したらうちで困って了う。可いよ、明日あした母上おっかさんが来たら私がきっぱりお謝絶ことわりするから。そうそうは私達だって困らアね。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
先生、諭吉に序文じょぶんめいず。諭吉は年来ねんらい他人の書にじょするをこのまずして一切そのもとめ謝絶しゃぜつするの例なれども、諭吉の先生における一身上しんじょう関係かんけいあさからずして旧恩きゅうおんの忘るべからざるものあり。
なにがさて萬金かへじと愛惜あいせきして居る石のことゆゑ、雲飛は一言のもとに之を謝絶しやぜつしてしまつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
自分は堪らなかつたが、彼は酷く真剣で真赤になつてゐるので、謝絶ことはる隙もなかつた。自分は、仕様ことなしに凝つと彼の顔を眺めてゐた。自分は、未だんな人の前でも嘘をついた経験はない。
夏ちかきころ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
閑静なる一間ひとましとならばお辰住居すまいたる家なおよからん、畳さえ敷けば細工部屋にして精々せいぜい一ト月位すまうには不足なかるべし、ナニ話に来るは謝絶ことわると云わるゝか、それも承知しました
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
当分旅行ニツキ訪問ヲ謝絶シャゼツス。十一月三十日、鴨下カモシタ——
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)