謝絶しゃぜつ)” の例文
先生、諭吉に序文じょぶんめいず。諭吉は年来ねんらい他人の書にじょするをこのまずして一切そのもとめ謝絶しゃぜつするの例なれども、諭吉の先生における一身上しんじょう関係かんけいあさからずして旧恩きゅうおんの忘るべからざるものあり。
保吉 いや、ただ夫は達雄の来た時に冷かに訪問を謝絶しゃぜつするのです。達雄は黙然もくねんくちびるを噛んだまま、ピアノばかり見つめている。妙子は戸の外にたたずんだなりじっと忍び泣きをこらえている。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)