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謝絶
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ことわ
ふりがな文庫
“
謝絶
(
ことわ
)” の例文
この猛烈なる
悪態
(
あくたい
)
で浮足立った人が
総崩
(
そうくず
)
れになって、
奔流
(
ほんりゅう
)
の如く逃げ走る。兵馬に槍を貸すことを
謝絶
(
ことわ
)
った役人連中までが逃げかかる。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自己
(
おの
)
が
小鬢
(
こびん
)
の後れ毛上げても、ええ
焦
(
じ
)
れったいと罪のなき髪を
掻
(
か
)
きむしり、一文
貰
(
もら
)
いに乞食が来ても甲張り声に
酷
(
むご
)
く
謝絶
(
ことわ
)
りなどしけるが
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
註文取はたつぷり愛嬌笑ひを見せながら、これまで通り取引を続けて欲しいと頼むだが、瑞西の商人は苦り切つた顔をしてきつぱり
謝絶
(
ことわ
)
つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
といふは、もし根津の寺なぞへ持込んで、普通の農家の葬式で通ればよし、さも無かつた日には、断然
謝絶
(
ことわ
)
られるやうな
浅猿
(
あさま
)
しい目に逢ふから。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
せめて旅館まででも送ろうと云う主催者を無理から
謝絶
(
ことわ
)
り、町の中を流れた
泥溝
(
どぶ
)
の
蘆
(
あし
)
の青葉に夕陽の
顫
(
ふる
)
えているのを見ながら帰って来たところであった。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
「あんまりそんな真似をすると、
謝絶
(
ことわ
)
ッてやるからいい。ああ、
自由
(
まま
)
にならないもんだことねえ」と、吉里は西宮をつくづく
視
(
み
)
て、うつむいて溜息を
吐
(
つ
)
く。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
すると
一日
(
あるひ
)
一人
(
ひとり
)
の
老叟
(
らうそう
)
が
何所
(
どこ
)
からともなく
訪
(
たづ
)
ねて來て
祕藏
(
ひざう
)
の石を見せて
呉
(
く
)
れろといふ、イヤその石は
最早
(
もう
)
他人
(
たにん
)
に
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つて
久
(
ひさ
)
しい以前から無いと
謝絶
(
ことわ
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
で、次の町内のものが、その床屋へ飛び込むと、変な顔をして
謝絶
(
ことわ
)
ったりしたものです。
幕末維新懐古談:05 その頃の床屋と湯屋のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「なぜといってそうではないか、女郎屋の亭主から
謝絶
(
ことわ
)
られたのだ」「
男冥利
(
おとこみょうり
)
でございますよ」「おれもそう思って諦めている」「それが一番ようございます。諦めが肝腎でございます」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、オダン夫人は考えぶかく同乗の
女
(
ひと
)
の好意を
謝絶
(
ことわ
)
った。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
関所で駕籠乗物の用意をするというのを
謝絶
(
ことわ
)
って、やはり馬で行きました。
険岨
(
けんそ
)
な道へかかったら馬から下りて歩くと言って出て行きました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして、又レンズの前へ立ったところで、又機械に故障が出来たと云って
謝絶
(
ことわ
)
られた。僧侶は業をにやして
レンズに現われた女の姿
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
さういふ
輩
(
てあひ
)
のなかにたつた一人の
女商人
(
をんなあきんど
)
があつた。
幾度
(
いくたび
)
か面会を
謝絶
(
ことわ
)
られても性懲りもなくまたやつて来るので、徳富氏も流石に気の毒になつて会つてみる事にした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
明日なら出来るが今夜は一文もないと
謝絶
(
ことわ
)
られた。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
と恩を忘れて
謝絶
(
ことわ
)
りける。
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
竜之助は額を押えて薬も水も
謝絶
(
ことわ
)
る。しかしながらよほどの苦しみには、うつむいた
面
(
かお
)
が下るばかりです。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
売卜者は醜い
女
(
むすめ
)
の姿を何時の間にか見ていた。彼は厭で厭でたまらなかったが、恩人の詞をすげなく
謝絶
(
ことわ
)
るわけにも往かなかった。彼はしかたなく承知してしまった。
鮭の祟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
と顔色を違へて
謝絶
(
ことわ
)
るので
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と言って、余儀なく
謝絶
(
ことわ
)
られてしまいました。林屋というのと殿村というのと、そのいずれも満員です。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いよいよ
初日
(
しょにち
)
の
蓋
(
ふた
)
をあけた日、人気は予想の如く、早朝から木戸口へ突っかける人は
潮
(
うしお
)
の如く、まもなく大入り満員となって、なお押寄せて来る客を
謝絶
(
ことわ
)
るために
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
するとも——あの薬屋の源太郎めは、わしの親から、お前さんを貰いたいと頼んだのに、てんから
謝絶
(
ことわ
)
ってしまいやがった。あの丹後守は、お前を隠して、わしに会わせなかった。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
茶袋は
執念
(
しゅうね
)
く談じつける。店の者はそれを
謝絶
(
ことわ
)
るに
困
(
こう
)
じているらしくあります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
行手に危険が
蟠
(
わだかま
)
ろうとも、深夜であろうとも、辻斬が
流行
(
はや
)
ろうとも、ひとたび病家の迎えを受けた以上は、事を左右に托してそれを
謝絶
(
ことわ
)
るような先生ではありません——武士が戦場へ臨む心で
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“謝絶”の意味
《名詞》
謝 絶(しゃぜつ)
相手の申し出を断ること。
(出典:Wiktionary)
謝
常用漢字
小5
部首:⾔
17画
絶
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
“謝”で始まる語句
謝
謝罪
謝肉祭
謝肇淛
謝貴
謝肉
謝肉祭組曲
謝儀
謝旌
謝物