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烟
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けふり
ふりがな文庫
“
烟
(
けふり
)” の例文
窟
(
うろ
)
にのぞんで
焚
(
たき
)
たてしに熊はさらに
出
(
いで
)
ず、
窟
(
うろ
)
の
深
(
ふかき
)
ゆゑに
烟
(
けふり
)
の
奥
(
おく
)
に
至
(
いた
)
らざるならんと
次日
(
つぎのひ
)
は
薪
(
たきゞ
)
を
増
(
ま
)
し山も
焼
(
やけ
)
よと
焚
(
たき
)
けるに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
蚊
(
か
)
いぶし
火鉢
(
ひばち
)
に
火
(
ひ
)
を
取分
(
とりわ
)
けて三
尺
(
じやく
)
の
椽
(
ゑん
)
に
持出
(
もちいだ
)
し、
拾
(
ひろ
)
ひ
集
(
あつ
)
めの
杉
(
すぎ
)
の
葉
(
は
)
を
冠
(
かぶ
)
せてふう/\と
吹立
(
ふきたつ
)
れば、ふす/\と
烟
(
けふり
)
たちのぼりて
軒塲
(
のきば
)
にのがれる
蚊
(
か
)
の
聲
(
こゑ
)
凄
(
すさ
)
まじゝ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一片の
焔
(
ほのほ
)
は
烈々
(
れつれつ
)
として、白く
颺
(
あが
)
るものは宮の思の何か、黒く
壊落
(
くづれお
)
つるものは宮が心の何か、彼は
幾年
(
いくとせ
)
の
悲
(
かなしみ
)
と悔とは嬉くも今その人の手に在りながら、すげなき
烟
(
けふり
)
と消えて跡無くなりぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
盡しけれ共其
驗
(
しるし
)
なく
終
(
つひ
)
に享保元年八月十八日歸らぬ旅に
赴
(
おもむ
)
きけり
因
(
よつ
)
て女房おもせは深く
歎
(
なげ
)
きしが今更
詮
(
せん
)
なきことと村中の者共打
寄
(
より
)
て成田村なる
九品寺
(
くほんじ
)
へ
葬送
(
さうそう
)
なし一
偏
(
ぺん
)
の
烟
(
けふり
)
として
跡
(
あと
)
懇切
(
ねんごろ
)
に
弔
(
とふら
)
ひたり此おもせは
至
(
いたつ
)
て
貞節者
(
ていせつもの
)
にて男
勝
(
まさ
)
りなりければ未だ
年若
(
としわか
)
なれども
後
(
ご
)
家を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此蹴綱に
転機
(
しかけ
)
あり、
全
(
まつた
)
く
作
(
つく
)
りをはりてのち、穴にのぞんで
玉蜀烟艸
(
たうがらしたばこ
)
の
茎
(
くき
)
のるゐ
熊
(
くま
)
の
悪
(
にく
)
む物を
焚
(
たき
)
、しきりに
扇
(
あふぎ
)
て
烟
(
けふり
)
を穴に入るれば熊烟りに
噎
(
むせ
)
て大に
怒
(
いか
)
り
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
焔は
烟
(
けふり
)
に
揉立
(
もみた
)
てられ、
烟
(
けむり
)
は更に風の為に砕かれつつも、蒸出す勢の
夥
(
おびただし
)
ければ、猶ほ
所狭
(
ところせ
)
く
漲
(
みなぎ
)
りて、
文目
(
あやめ
)
も分かず
攪乱
(
かきみだ
)
れたる中より爆然と鳴りて、天も焦げよと納屋は一面の猛火と変じてけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
落葉
(
おちば
)
たくなる
烟
(
けふり
)
の
末
(
すゑ
)
か、
夫
(
そ
)
れかあらぬか
冬
(
ふゆ
)
がれの
庭木立
(
にはこだち
)
をかすめて、
裏通
(
うらどほ
)
りの
町屋
(
まちや
)
の
方
(
かた
)
へ
朝毎
(
あさごと
)
に
靡
(
なび
)
くを、
夫
(
そ
)
れ
金村
(
かなむら
)
の
奧樣
(
おくさま
)
がお
目覺
(
めざめ
)
だと
人
(
ひと
)
わる
口
(
くち
)
の一つに
數
(
かぞ
)
へれども、
習慣
(
ならはし
)
の
恐
(
おそ
)
ろしきは
朝飯前
(
あさはんまへ
)
の一
風呂
(
ふろ
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
熊はいでずして一山の
破隙
(
われめ
)
こゝかしこより
烟
(
けふり
)
をいだして
雲
(
くも
)
の
起
(
おこる
)
が
如
(
ごと
)
くなりければ、
奇異
(
きい
)
のおもひをなし熊を
狩
(
から
)
ずして
空
(
むな
)
しく立かへりしと清水村の
農夫
(
のうふ
)
が
語
(
かた
)
りぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
家屋も土蔵も一夜の
烟
(
けふり
)
となりて、鰐淵の跡とては赤土と灰との外に
覓
(
もと
)
むべきものもあらず、風吹迷ふ
長烟短焔
(
ちようえんたんえん
)
の紛糾する処に、
独
(
ひと
)
り無事の形を留めたるは、主が居間に備へ付けたりし金庫のみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此諸人の
気息
(
いき
)
正月三日の寒気ゆゑ
烟
(
けふり
)
のごとく
霧
(
きり
)
のごとく
照
(
てら
)
せる
神燈
(
じんとう
)
もこれが
為
(
ため
)
に
暗
(
くら
)
く、人の
気息
(
いき
)
屋根うらに
露
(
つゆ
)
となり雨のごとくに
降
(
ふり
)
、人気
破風
(
はふ
)
よりもれて雲の立のぼるが如し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さて
眺望
(
みわたせ
)
ば越後はさら也、
浅間
(
あさま
)
の
烟
(
けふり
)
をはじめ、信濃の連山みな
眼下
(
がんか
)
に
波濤
(
はたう
)
す。
千隈
(
ちくま
)
川は白き糸をひき、佐渡は青き
盆石
(
ぼんせき
)
をおく。能登の
洲崎
(
すさき
)
は
蛾眉
(
がび
)
をなし、越前の遠山は
青黛
(
せいたい
)
をのこせり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
烟
漢検1級
部首:⽕
10画
“烟”を含む語句
黒烟
烟草
烟管
烟筒
水烟
砂烟
烟出
烟草入
血烟
烟突
煤烟
巻烟草
烟草盆
烟草屋
炊烟
烟硝
土烟
香烟
青烟
雪烟
...