“土烟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つちけむり66.7%
つちけぶり33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今の大工場がどどんとすさまじい音をたてて、まるつぶれにたおれて、ぐるり一ぱいにもうもうと土烟つちけむりが立ち上る、附近の空地あきちへにげようとしてかけ出したものの
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ですから源が振返って後を見た時は、舞揚る黄色い土烟つちけむりの中に、紫と白とがすれすれに並び進んで、乗迫って来たのを認めたばかり。おそるべき灰色の馬頭は塵埃ほこりに隠れて見えませんのでした。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そのほかには飛び飛びに立っている、小さい側栢ひのきがあるばかりである。しばらく照り続けて、広小路は往来の人の足許あしもとから、白い土烟つちけぶりが立つのに、この塀のうちは打水をしたこけが青々としている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)