土烟つちけむり)” の例文
今の大工場がどどんとすさまじい音をたてて、まるつぶれにたおれて、ぐるり一ぱいにもうもうと土烟つちけむりが立ち上る、附近の空地あきちへにげようとしてかけ出したものの
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ですから源が振返って後を見た時は、舞揚る黄色い土烟つちけむりの中に、紫と白とがすれすれに並び進んで、乗迫って来たのを認めたばかり。おそるべき灰色の馬頭は塵埃ほこりに隠れて見えませんのでした。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)