“揉立”の読み方と例文
読み方割合
もみた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先んぜられたり、心外、と二人も駈入りて手痛く戦う。氏郷本陣の小姓馬廻りまで、ただ瞬く間にせ、と手柄を競って揉立つる。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
折から一天掻曇りて、と吹下す風は海原を揉立つれば、船は一支えず矢を射るばかりに突進して、無二無三に沖合へ流されたり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
焔は揉立てられ、は更に風の為に砕かれつつも、蒸出す勢のければ、猶ほ所狭りて、文目も分かず攪乱れたる中より爆然と鳴りて、天も焦げよと納屋は一面の猛火と変じてけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)