“揉烏帽子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もみえぼし77.8%
もみゑぼし22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朱雀綾小路すざくあやのこうじつじで、じみな紺の水干すいかん揉烏帽子もみえぼしをかけた、二十はたちばかりの、醜い、片目の侍が、平骨ひらぼねの扇を上げて、通りかかりの老婆を呼びとめた。——
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
どうも、花聟の方が揉烏帽子もみえぼしにこの恰好かっこうではあまりぱっとしませんが、さあ、文麻呂殿、お立ちなさい。……あなたの恋いにこがれたなよたけが待っているのですよ。(文麻呂をたすけ起す)
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
これは何時もの香染めらしい狩衣に萎えた揉烏帽子もみゑぼしを頂いて、星空の重みに壓されたかと思ふ位、何時もよりは猶小さく、見すぼらしげに見えました。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
よく丁字染ちやうじぞめの狩衣に揉烏帽子もみゑぼしをかけて居りましたが、人がらは至つて卑しい方で、何故か年よりらしくもなく、脣の目立つて赤いのが、その上に又氣味の惡い
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)