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揉立
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もみた
ふりがな文庫
“
揉立
(
もみた
)” の例文
先んぜられたり、心外、と二人も駈入りて手痛く戦う。氏郷本陣の小姓馬廻りまで、ただ瞬く間に
陥
(
おと
)
せ、と手柄を競って
揉立
(
もみた
)
つる。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
折から
一天
(
いってん
)
俄
(
にわか
)
に
掻曇
(
かきくも
)
りて、
颷
(
ど
)
と吹下す風は海原を
揉立
(
もみた
)
つれば、船は
一支
(
ひとささえ
)
も
支
(
ささ
)
えず矢を射るばかりに突進して、
無二無三
(
むにむさん
)
に沖合へ流されたり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
焔は
烟
(
けふり
)
に
揉立
(
もみた
)
てられ、
烟
(
けむり
)
は更に風の為に砕かれつつも、蒸出す勢の
夥
(
おびただし
)
ければ、猶ほ
所狭
(
ところせ
)
く
漲
(
みなぎ
)
りて、
文目
(
あやめ
)
も分かず
攪乱
(
かきみだ
)
れたる中より爆然と鳴りて、天も焦げよと納屋は一面の猛火と変じてけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
と込上げ
揉立
(
もみた
)
て、
真赤
(
まっか
)
になった、七
顛
(
てん
)
八
倒
(
とう
)
の
息継
(
いきつぎ
)
に、つぎ
冷
(
ざま
)
しの茶を取って、がぶりと遣ると
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
例の物見高き町中なりければ、この
忙
(
せはし
)
き
際
(
きは
)
をも忘れて、
寄来
(
よりく
)
る
人数
(
にんず
)
は
蟻
(
あり
)
の甘きを探りたるやうに、一面には遭難者の土に
踞
(
つくば
)
へる
周辺
(
めぐり
)
を擁し、一面には婦人の左右に
傍
(
そ
)
ひて、目に物見んと
揉立
(
もみた
)
てたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
材木町
(
ざいもくちやう
)
の
陶器屋
(
たうきや
)
の
婦
(
つま
)
、
嬰兒
(
あかご
)
を
懷
(
ふところ
)
に、
六歳
(
ろくさい
)
になる
女兒
(
をんなのこ
)
の
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
凄
(
すさまじ
)
い
群集
(
ぐんしふ
)
のなかを
逃
(
のが
)
れたが、
大川端
(
おほかはばた
)
へ
出
(
で
)
て、うれしやと
吻
(
ほつ
)
と
呼吸
(
いき
)
をついて、
心
(
こゝろ
)
づくと、
人
(
ひと
)
ごみに
揉立
(
もみた
)
てられたために
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
揉
漢検1級
部首:⼿
12画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“揉”で始まる語句
揉
揉手
揉上
揉合
揉込
揉烏帽子
揉事
揉消
揉潰
揉療治