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黒煙
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こくえん
ふりがな文庫
“
黒煙
(
こくえん
)” の例文
黒煙
(
こくえん
)
を吐く煉瓦づくりの
製造場
(
せいぞうば
)
よりも人情本の文章の方が面白く美しく、
乃
(
すなわ
)
ち遥に強い印象を与えたがためであろう。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
轟然
(
ごうぜん
)
と砲門は
黒煙
(
こくえん
)
をぱっと吹き出して
震動
(
しんどう
)
した。
甲板
(
かんぱん
)
も艦橋も、
壊
(
こわ
)
されそうに鳴り響き、そしてぐらりと
傾斜
(
けいしゃ
)
した。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今
(
いま
)
や
其
(
その
)
二本
(
にほん
)
の
烟筒
(
えんとう
)
から
盛
(
さか
)
んに
黒煙
(
こくえん
)
を
吐
(
は
)
いて
居
(
を
)
るのは
既
(
すで
)
に
出港
(
しゆつかう
)
の
時刻
(
じこく
)
に
達
(
たつ
)
したのであらう、
見
(
み
)
る/\
船首
(
せんしゆ
)
の
錨
(
いかり
)
は
卷揚
(
まきあ
)
げられて、
徐々
(
じよ/\
)
として
進航
(
しんかう
)
を
始
(
はじ
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そして、
後
(
あと
)
には、
濛々
(
もうもう
)
として、
黒煙
(
こくえん
)
が
息
(
いき
)
づまるほど、
立
(
た
)
ちこめて、
電燈
(
でんとう
)
の
蔭
(
かげ
)
でうずを
巻
(
ま
)
いていたのです。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見るまに、それを一手として、つぎには、
大岩山
(
おおいわやま
)
、
木之本附近
(
きのもとふきん
)
、
岩崎山
(
いわさきやま
)
のとりでとおぼしきところから山火事のような
黒煙
(
こくえん
)
がうずをまいて、
日輪
(
にちりん
)
の光をかくした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
その
時
(
とき
)
、
横町
(
よこちやう
)
を
縱
(
たて
)
に
見通
(
みとほ
)
しの
眞空
(
まぞら
)
へ
更
(
さら
)
に
黒煙
(
こくえん
)
が
舞起
(
まひおこ
)
つて、
北東
(
ほくとう
)
の
一天
(
いつてん
)
が
一寸
(
いつすん
)
を
餘
(
あま
)
さず
眞暗
(
まつくら
)
に
代
(
かは
)
ると、
忽
(
たちま
)
ち、どゞどゞどゞどゞどゞと
言
(
い
)
ふ、
陰々
(
いん/\
)
たる
律
(
りつ
)
を
帶
(
お
)
びた
重
(
おも
)
く
凄
(
すご
)
い
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ふらふらする足どりで、二階の
窓際
(
まどぎわ
)
へ寄ると、
遙
(
はる
)
か西の方の空に
黒煙
(
こくえん
)
が
濛々
(
もうもう
)
と
立騰
(
たちのぼ
)
っていた。服装をととのえ階下に行った時には、しかし、もう飛行機は過ぎてしまった後であった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
山
(
やま
)
も、
谷
(
たに
)
も、
一時
(
いちじ
)
に
顛倒
(
てんたう
)
する
樣
(
やう
)
な
響
(
ひゞき
)
と
共
(
とも
)
に、
黒煙
(
こくえん
)
パツと
立昇
(
たちのぼ
)
る。
猛獸羣
(
まうじうぐん
)
は
不意
(
ふゐ
)
に
驚
(
おどろ
)
いて、
周章狼狽
(
あわてふためい
)
て
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せる。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
黒煙
(
こくえん
)
がやっと
消
(
き
)
えて、ふたたびあたりが
見
(
み
)
えたときには、もはや、そこにとかげはいなかったのでした。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かれはいつになく、その
行方
(
ゆくえ
)
を
軽
(
かる
)
くあきらめて、ふたたび
黒煙
(
こくえん
)
のとりでへ
影
(
かげ
)
をまぎれこませてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
線路の横の雪山のうえにのぼると、除雪車が
黒煙
(
こくえん
)
をあげつつ、近づくのが見えた。ロータリーだ。ロータリーに当って、雪は、まるで
爆布
(
ばくふ
)
のようにうつくしく横へはねとばされる。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あっ、命中だ! 英艦エクセター号の
艦側
(
かんそく
)
から、
濛々
(
もうもう
)
たる
黒煙
(
こくえん
)
があがる。余は……
沈没男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“黒煙”の解説
黒煙(こくえん)とは、有機化合物が不完全燃焼した際に発生する煙である。
(出典:Wikipedia)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
煙
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
“黒”で始まる語句
黒
黒子
黒繻子
黒人
黒白
黒雲
黒檀
黒髪
黒奴
黒縮緬