“もっとも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
38.7%
道理35.1%
18.0%
3.6%
有理2.6%
妥当0.5%
当然0.5%
最上0.5%
至当0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
只今ただいまのご質問はいかにもごもっともであります。多少御実験などもお話になりましたが実は遺憾いかんながらそれはみな実験になって居りません。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
やがて盗賊とうぞくどもは、生人形いきにんぎょうおくからってきましたが、くびはぬけ手足はもぎれて、さんざんな姿すがたになっていました。それも道理もっともです。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
絶間なき秩父ちちぶおろしに草も木も一方に傾き倒れている戸田橋とだばしの両岸の如きは、放水路の風景の中そのもっとも荒凉たるものであろう。
放水路 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
こりゃもっともだ。実はてまえの方が思いがけないんで。お顔を覚えておりません。誰方どなた、という挨拶で、ちと照れましたがな。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
叔父の不審は成るほど有理もっとも至極であるが、併し真逆に余と怪美人とを此の室へ閉じ籠めて外から、錠を卸して去る様な悪戯者が有ろうとは、誰とて思い寄る筈がない
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
妥当もっともの注意を与えてくれた! ……詭計ではない天の告げじゃ! ……信じてよかろう、中津川の方へ行こうぞ!
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「では当然もっともおぼしめすか」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
時に、継母ままおやの取った手段は、極めて平凡な、しかも最上もっとも常識的なものであった。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
汝一人に重石おもし背負しょってそう沈まれてしもうては源太が男になれるかやい、つまらぬ思案に身を退いて馬鹿にさえなって居ればよいとは、分別が摯実くすみ過ぎて至当もっともとは云われまいぞ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)