トップ
>
最
>
もっとも
ふりがな文庫
“
最
(
もっとも
)” の例文
今まで用ゐたる理窟といふ語は
最
(
もっとも
)
簡単の智をば除きて言ひしつもりなれど、貴書の意は智と理窟とを同一に見
做
(
な
)
されたるかと覚え候。
あきまろに答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
絶間なき
秩父
(
ちちぶ
)
おろしに草も木も一方に傾き倒れている
戸田橋
(
とだばし
)
の両岸の如きは、放水路の風景の中その
最
(
もっとも
)
荒凉たるものであろう。
放水路
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
教育はつとめて自由で、芸術を教ゆるよりは、その趣味理想の脳力を養うべきである。多くの人の経験によれば、
最
(
もっとも
)
楽しい時は、学校である。
女子教育に就て
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
私の家と同じようにムリオの家は
此
(
ここ
)
西班牙
(
スペイン
)
では
最
(
もっとも
)
古い家柄であって、長い並木の行き詰まりに十七世紀風の唐門が、いかにも優雅に建っている。
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あの室はMホテルの
最
(
もっとも
)
右翼にある室で前が庭ですぐ塀になって居るのです。ところがその塀を一つ隔てて一軒家が立ってるのを知って居ますか。
正義
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
▼ もっと見る
婢は「おいらん」を以て人間の
最
(
もっとも
)
尊貴なるものとしている。公侯伯子男の華族さんも、大臣次官の官員さんも婢がためには皆野暮なお客である。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
何者が何の為にコロップの栓の裏に
斯
(
かゝ
)
る切創を附けたるにや、其創は
最
(
もっとも
)
鋭き刃物にて刺したる者にて老人の
咽
(
のんど
)
を刺せし
兇刃
(
きょうじん
)
も
斯
(
かゝ
)
る
業物
(
わざもの
)
なりしならん
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
それならば少数の男子——社会において人としての教養を
最
(
もっとも
)
多く積んでいられるらしい男子の方はどうかと申すと
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
しかしながら神を棄て神を否定する時人生は全然無意味となるを
如何
(
いかん
)
。神を棄てて問題の解決を計るは
最
(
もっとも
)
捷径
(
しょうけい
)
である。けれどもこれ人生を無意味とするの結果に帰着するのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
然
(
しか
)
るにこの典型的論理に私が多少疑問あることは
最
(
もっとも
)
遺憾
(
いかん
)
に存ずる次第であります。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
最
(
もっとも
)
な話だ。おれにしても少しはへんになる。」
童子
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「
独楽唫
(
どくらくぎん
)
」と題せる歌五十余首あり。歌としては秀逸ならねど彼の性質、生活、
嗜好
(
しこう
)
などを知るには
最
(
もっとも
)
便ある歌なり。その中に
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
この
不様
(
ぶざま
)
な身なりは、「じだらくに居れば涼しき二階かな。」で、東京の気候の殊に暑さの甚しい季節には
最
(
もっとも
)
適合している。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私思うに学校時代は
最
(
もっとも
)
理想の高い時であるからであろう。理想さえ高ければ、
如何
(
いか
)
なる困難に
遇
(
あ
)
っても楽しむ事が出来る。
女子教育に就て
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
閣下の甥の侍従官が、何故罪悪を犯したかと申すに、
最
(
もっとも
)
の理由がございます。それは閣下も申された通り、生意気だからでございます! 新思想家だからでございます。
闘牛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼の如き死を慕える者においてはこれ最上の、かつ
最
(
もっとも
)
捷径
(
しょうけい
)
の問題解決法ではないか。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
最
(
もっとも
)
長い手紙で、世間で不治の病と云うものが必ず不治だと思ってはならぬ、安心を得ようと志すものは、病のために屈してはならぬと云うことを、
譬喩談
(
ひゆだん
)
のように書いたものであった。
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「うん。お前は、
最
(
もっとも
)
明らかな出現罪である。依って明日より二十二日間、ムッセン街道の見まわりを命ずる。今後ばけものの世界長の許可なくして、
妄
(
みだ
)
りに向側に出現いたしてはならんぞ。」
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
然レドモソノ考証
研覈
(
けんかく
)
ノ
如何
(
いかん
)
ニ至ツテハ彼ノ
最
(
もっとも
)
詳確ニシテ我ノ甚シク
杜撰
(
ずさん
)
ナルヤ
固
(
もと
)
ヨリ日ヲ同ジクシテ語ルベキニ
非
(
あ
)
ラズ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しこうして彼の歌の『万葉』に似ざるところははたして『万葉』に優るところなりや否や、こは
最
(
もっとも
)
大切なる問題なり。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
しかるにこの最も神を慕いしものは
最
(
もっとも
)
わずかにこの世を楽んで去れり、ブラジル国の砂中に
埋
(
うず
)
もる大金剛石は
誰
(
たれ
)
のために造られしや、
無辜
(
むこ
)
を虐げ真理を蔑視する女帝女王の
頭
(
かしら
)
を飾るためにか
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
殊
(
こと
)
にこの大祭に於て、多少の
愉快
(
ゆかい
)
なる
刺戟
(
しげき
)
を吾人が所有するということは、
最
(
もっとも
)
天意のある所である。多少の愉快なる刺戟とは何であるか、これプログラム中にある異教
及
(
および
)
異派の諸氏の論難である。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
然れば無罪にして士分の取扱をも受くべき筈である。それを何故に流刑に処せられるか、その理由を承らぬうちは、
輒
(
たやす
)
くお
請
(
うけ
)
が出来難いと云うのである。目附は当惑の体で云った。不審は
最
(
もっとも
)
である。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
古人は事に臨んで
濫
(
みだり
)
に情を
恣
(
ほしいまま
)
にせざる事を以て
嘉
(
よみ
)
すべきものとなした。喜怒哀楽の情を軽々しく面に現さないのを
最
(
もっとも
)
修養せられた人格となした。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
かく噛み噛みたるためにや咀嚼に
最
(
もっとも
)
必要なる第一の
臼歯
(
きゅうし
)
左右共にやうやうに
傷
(
そこな
)
はれてこの頃は痛み強く少しにても上下の歯をあはす事出来難くなりぬ。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
有明楼は当時山谷堀に軒を連ねた酒楼の中
最
(
もっとも
)
繁栄した家で、東両国の妓お菊というものが女の手一つで切廻していた。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その他
大師講
(
だいしこう
)
の如き、吾人はその冬季たるの感
最
(
もっとも
)
薄しといへども、
身
(
み
)
天台
(
てんだい
)
の寺にありて親しくこれを見し者は必ずや冬季における幾多の聯想を起すべきなり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
此
(
かく
)
の如く浮世絵画工中北斎の
最
(
もっとも
)
泰西人に尊重せられし
所以
(
ゆえん
)
は後期印象派の勃興に
裨益
(
ひえき
)
する所多かりしがためなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一、四季の題目にて
花木
(
かぼく
)
、
花草
(
かそう
)
、
木実
(
このみ
)
、
草実
(
くさのみ
)
等はその
花実
(
かじつ
)
の
最
(
もっとも
)
多き時をもつて季と為すべし。藤花、
牡丹
(
ぼたん
)
は春晩夏初を以て開く故に春晩夏初を以て季と為すべし。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
これに反して誠らしき嘘は人を
欺
(
あざむ
)
かんとする傾きありて不愉快なる者なり。誇張は多く後の種類に属す。されど当時予はこの句を以て俳句中の
最
(
もっとも
)
微妙なる者と思へり。
俳句の初歩
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
果して
然
(
しか
)
りとすれば、自分の生涯などはまず人間中の
最
(
もっとも
)
幸福なるものと思わなければならない。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかれどもこの歌は趣向の
最
(
もっとも
)
簡単なる者なり、簡単に傾きたる和歌の中にても
殊
(
こと
)
に簡単なる者なり。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
活動写真の看板を一度に
最
(
もっとも
)
多く一瞥する事のできるのは浅草公園である。ここへ来ればあらゆる種類のものを一ト目に眺めて、おのずから其巧拙をも比較することができる。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
昔より伝へられたる数十百の歌集の中にて
最
(
もっとも
)
善き歌を多く集めたるは何の集ぞ、と問はん時、そは『万葉集』なり、と答へん者
賀茂真淵
(
かものまぶち
)
を始め三、四人もあるべきか。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
最
(
もっとも
)
親しいはずの親兄弟に対しては君江は一番よそよそしく決して本心を明した事がない。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
天下万般の学に通じ事に
暁
(
さと
)
らざるべからず。しかれども一生の間に自ら実験し得べき事物は極めて少数なり。故に多く学び博く
識
(
し
)
らんと欲せば書籍によるを
最
(
もっとも
)
良
(
よ
)
しとす。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
路はその辺から阪になり、
遥
(
はるか
)
に
豪徳寺
(
ごうとくじ
)
裏手の杉林と
竹藪
(
たけやぶ
)
とを田と畠との
彼方
(
かなた
)
に見渡す眺望。世田ヶ谷の町中でもまずこの辺が昔のままの郊外らしく思われる
最
(
もっとも
)
幽静な処であろう。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
チヨボも廻り舞台も花道も皆芝居には
最
(
もっとも
)
必要な者で極めて当然な者の如く思ふて居るのである。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その時分の感想では
露伴
(
ろはん
)
先生の『
讕言長語
(
らんげんちょうご
)
』と
一葉
(
いちよう
)
女史の諸作とに
最
(
もっとも
)
深く心服した。
正宗谷崎両氏の批評に答う
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
古池の句は
足引
(
あしびき
)
の山鳥の尾のといふ歌の簡単なるに比すべくもあらざれど、なほ俳句中の
最
(
もっとも
)
簡単なる者に属す。芭蕉はこれを以て自ら得たりとし、終身複雑なる句を作らず。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
読書
木魚
(
もくぎょ
)
琴瑟
(
きんしつ
)
等ノ声
最
(
もっとも
)
然リトナス。鳩ノ雨ヲ林中ニ
喚
(
よ
)
ビ、雁ノ霜ヲ月辺ニ警シメ、
棊声
(
きせい
)
ノ竹ヲ隔テ、雪声ノ窓ヲ隔ツ。皆愛スベキナリ。山行伐木ノ声、渓行水車ノ声
並
(
とも
)
ニ遠ク聴クベシ。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「べきは」と
係
(
か
)
けて「なりけり」と結びたるが
最
(
もっとも
)
理窟的殺風景の処に有之候。一生嵐山の桜を見ようといふも変なくだらぬ趣向なり、この歌全く
取所
(
とりどころ
)
無之候。なほ手当り次第
可申上
(
もうしあぐべく
)
候也。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
然
(
しか
)
れどもその流行
最
(
もっとも
)
盛
(
さかん
)
なるに至りしは元禄年代
鳥居清信
(
とりいきよのぶ
)
出でてより
後
(
のち
)
なりき。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
オペラは欧洲の本土に在っては風雪
最
(
もっとも
)
凛冽
(
りんれつ
)
なる冬季にのみ興行せられるのが例である。それ故わたくしの西洋音楽を聴いて直に想い起すものは、深夜の燈火に照された雪中
街衢
(
がいく
)
の光景であった。
帝国劇場のオペラ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この例の如き飾りつけといふは、先づ真中に、極めてきたなき紙表装の墨竹の
大幅
(
たいふく
)
を掛けあり。この絵の竹は葉少く
竿
(
さお
)
多く、
最
(
もっとも
)
太い竿は幅五、六寸もあり、蔵沢といふ余と同郷の古人の筆なり。
明治卅三年十月十五日記事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
然ればかくの如きの禁令は日本国民の世界中
最
(
もっとも
)
助兵衛なる事を証するものならずや。忠君愛国は久しく日本国民の特徴なり
茲
(
ここ
)
にまた助兵衛の特徴を加へんか余りに特徴の多きに
堪
(
た
)
えざるの観あり。
猥褻独問答
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
曙覧の事蹟及び性行に関しては
未
(
いま
)
だこれを聞くを得ず。歌集にあるところをもってこれを推すに、福井辺の人、広く古学を修め、つとに勤王の志を抱く。
松平春岳
(
まつだいらしゅんがく
)
挙げて和歌の師とす、推奨
最
(
もっとも
)
つとむ。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
小春
(
こはる
)
治兵衛
(
じへえ
)
の情事を語るに最も適したものは大阪の浄瑠璃である。
浦里時次郎
(
うらざとときじろう
)
の艶事を伝うるに
最
(
もっとも
)
適したものは江戸の浄瑠璃である。マスカニの歌劇は
必
(
かならず
)
伊太利亜
(
イタリア
)
語を以て為されなければなるまい。
十日の菊
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二個の動詞も現在になり(動詞の
最
(
もっとも
)
短き形)をり候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
鮮明なる二種の色調と
黒白
(
こくびゃく
)
とを
併
(
あわ
)
せ用ゐて各部を異らしめたる所、共に強烈なる油絵の
顔料
(
がんりょう
)
といへどもよくこれに及ぶ事
能
(
あた
)
はざるべし。余はホイッスラアの
最
(
もっとも
)
有名なる銅板画よりもむしろ本図を好む。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“最”の解説
路最(ろさい)は、衛氏朝鮮の国家運営にあたった4人の合議メンバー(朝鮮相路人、朝鮮相韓陰、尼谿相参、将軍王唊)の1人である路人の子。
(出典:Wikipedia)
最
常用漢字
小4
部首:⽈
12画
“最”を含む語句
最初
最後
最中
最先
最終
最惜
最前
最上
最愛
最早
最近
最高
眞最中
最期
最少
最大
最上川
最一
最低
最合
...