“大幅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たいふく52.2%
おおはば21.7%
おほはゞ8.7%
おおぴら4.3%
おほはヾ4.3%
おほふく4.3%
だいふく4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奥の八畳の座敷に、二人の客があって、酒たけなわになっている。座敷は極めて殺風景に出来ていて、床の間にはいかがわしい文晁ぶんちょう大幅たいふくが掛けてある。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その中に月の光りが、大幅おおはばの帯をくうに張るごとく横に差し込む。吾輩は前足に力を込めて、やっとばかり棚の上に飛び上がろうとした。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところが皺くちやな執事が、土蔵から取り出して観山氏の前にひろげたのはそんな小切こぎれでは無かつた。まるで呉服屋の店先に転がつてゐる緋金巾ひがねきんか何ぞのやうに大幅おほはゞのものだつた。
前にも申しました通りバクチは親父の生きとるうち大幅おおぴらで遣れませんでしたが、死ぬると一気に通夜の晩から枕経まくらきょうの代りに松切坊主まつきりぼうずを初めましたので
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
めて落ちついたの色の大幅おほはヾの襦子を
天葢てんがいというても兩端りやうたんわらびのやうにまかれたせま松板まついたを二まいあはせたまでのものにすぎない簡單かんたんなものである。すゝけたかべにはれもふるぼけたあか曼荼羅まんだら大幅おほふくかざりのやうにけられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
床には、探幽斎たんゆうさいの筆、水墨の大幅だいふくが掛けてあったが、紙燭のゆらぎに浮いて見えるのは、その絵ではなく、画幅を無残にして遺憾のない大きな文字で
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)