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大幅
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たいふく
ふりがな文庫
“
大幅
(
たいふく
)” の例文
奥の八畳の座敷に、二人の客があって、酒
酣
(
たけなわ
)
になっている。座敷は極めて殺風景に出来ていて、床の間にはいかがわしい
文晁
(
ぶんちょう
)
の
大幅
(
たいふく
)
が掛けてある。
鼠坂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
態
(
わざ
)
と
慇懃
(
いんぎん
)
に
應接
(
あしら
)
うて、
先生
(
せんせい
)
、
拜見
(
はいけん
)
とそゝり
立
(
た
)
てると、
未熟
(
みじゆく
)
ながら、
御覽下
(
ごらんくだ
)
さいましとて、
絹地
(
きぬぢ
)
の
大幅
(
たいふく
)
を
其
(
それ
)
へ
展
(
ひら
)
く。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
殊
(
こと
)
に
大幅
(
たいふく
)
に至つては南岳のも文鳳のも見たことがないから、どちらがどうとも判然と優劣を論じかねるが、しかし文鳳の方に絵の趣向の豊富な処があり
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
第十二「松の間」は、十六畳と二十四畳、三方正面の
布袋
(
ほてい
)
があって、
吊天井
(
つりてんじょう
)
で柱がない、
岸駒
(
がんく
)
の
大幅
(
たいふく
)
がある。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ロマンテイツクなる秀才なりしが、岡山の高等学校へはひりし
後
(
のち
)
、
腎臓結核
(
じんざうけつかく
)
に
罹
(
かか
)
りて死せり。平塚の父は画家なりしよし、その最後の作とか言ふ
大幅
(
たいふく
)
の地蔵尊を見しことあり。
学校友だち
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
一間
(
いっけん
)
の
床
(
とこ
)
には何かいわれのあるらしい
雷
(
らい
)
という一字を
石摺
(
いしずり
)
にした
大幅
(
たいふく
)
がかけてあって、その下には古い支那の陶器と想像せられる大きな六角の
花瓶
(
かへい
)
が、花一輪さしてないために
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
軸
(
じく
)
は底光りのある
古錦襴
(
こきんらん
)
に、
装幀
(
そうてい
)
の
工夫
(
くふう
)
を
籠
(
こ
)
めた
物徂徠
(
ぶっそらい
)
の
大幅
(
たいふく
)
である。絹地ではないが、多少の時代がついているから、字の巧拙に論なく、紙の色が周囲のきれ地とよく調和して見える。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
隣の書房に最も近い第一の窓の中には、一枚の
大幅
(
たいふく
)
が画架にかかっていて、その前に群衆がせきとめられている。赤褐の色調で仕上げられた立派な写真で、幅の広い古金の額に入っている。
神の剣
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
絵の部は余りに無鑑別に
沢山
(
たくさん
)
並べてある為か、又は僕の目が
巴里
(
パリイ
)
の絵に慣れて
仕舞
(
しま
)
つた為か、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
感服すべき物に乏しい。展覧会
向
(
むき
)
に
描
(
か
)
かれた
大幅
(
たいふく
)
の前には日本の
其
(
それ
)
等と同じく人だかりがする。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「秋庭」という題で相当な
大幅
(
たいふく
)
である。ほとんど一面に朱と黄の色彩が
横溢
(
おういつ
)
して見るもまぶしいくらいなので、一見しただけではすぐにこれが自分の昔なじみの庭だということがのみ込めなかった。
庭の追憶
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
二十余日を経て五尺ばかりの
大幅
(
たいふく
)
見事に出来上りたるつもりにて得々として帰り
直
(
ただち
)
に浅井氏に示す。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
ただ文鳳の
大幅
(
たいふく
)
を見たことがないので、大幅の伎倆を知ることが出来ぬのは残念である。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
この例の如き飾りつけといふは、先づ真中に、極めてきたなき紙表装の墨竹の
大幅
(
たいふく
)
を掛けあり。この絵の竹は葉少く
竿
(
さお
)
多く、
最
(
もっとも
)
太い竿は幅五、六寸もあり、蔵沢といふ余と同郷の古人の筆なり。
明治卅三年十月十五日記事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
“大幅”の意味
《名詞》
大きな掛軸。
(出典:Wiktionary)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
幅
常用漢字
中学
部首:⼱
12画
“大”で始まる語句
大
大人
大事
大袈裟
大分
大切
大抵
大概
大方
大丈夫