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夕月
読み方 | 割合 |
ゆふづき | 63.6% |
ゆうづき | 36.4% |
夕月夜といふのは
夕月の
夜といふことでなく、
月夜は
月のことです。で、
夕月の
頃といふと、
新月の
出た
時分といふことになります。
峰は
木の
葉の
虹である、
谷は
錦の
淵である。……
信濃の
秋の
山深く、
霜に
冴えた
夕月の
色を、まあ、
何と
言はう。……
流は
銀鱗の
龍である。
妖麗な
夜霞をふいて、
三方ヶ
原の
野末から
卵黄色な
夕月がのっとあがった。
都田川のながれは
刻々に水の色を
研ぎかえてくる、——
藍、黒、金、
銀波。
斜めにうねった
道角に、
二抱えもある
大松の、その
木の
下をただ
一人、
次第に
冴えた
夕月の
光を
浴びながら、
野中に
咲いた一
本の
白菊のように、
静かに
歩みを
運んで
来るほのかな
姿。