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猪
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い
ふりがな文庫
“
猪
(
い
)” の例文
が、争われないのは、
不具者
(
かたわ
)
の
相格
(
そうごう
)
、肩つきばかりは、みじめらしくしょんぼりして、
猪
(
い
)
の熊入道もがっくり投首の
抜衣紋
(
ぬきえもん
)
で居たんだよ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒犬に
腿
(
もも
)
を
咬
(
か
)
まれて驚いたなどという下らない夢を見る人は、
窹
(
さ
)
めていても、
蚤
(
のみ
)
に
猪
(
い
)
の目を
螫
(
さ
)
されて騒ぐくらいの下らない人なのである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その時唱う歌の一つに「
猪
(
い
)
の子神さん毎年ござれ、祝うて上げます
御所柿
(
ごしょがき
)
を、面白や云々」、『
華実年浪草
(
かじつとしなみぐさ
)
』十に、ある説に
亥子餅
(
いのこもち
)
七種の粉を合せて作る。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
と云ったが、脊中の刺青が
腫
(
は
)
れまして
猪
(
しゝ
)
が
滅茶
(
めっちゃ
)
になりましたから、直ぐ帰りに
刺青師
(
ほりものし
)
へ寄って熊に
刺
(
ほり
)
かえて貰い、これから
猪
(
い
)
の
熊
(
くま
)
の亥太郎と云われました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わし
)
にしてからが大勢はいけない。大名行列という奴は、山師の看板と同じだからなあ。
猪
(
い
)
十
郎
(
ろう
)
さんと
紅丸
(
べにまる
)
さん、眼を病んでいる
白烏
(
しろがらす
)
さん、三人のお供で充分だ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
「何を
怒
(
いか
)
るや
怒
(
いか
)
り
猪
(
い
)
の——
俄
(
にわか
)
に
激
(
げき
)
する数千
騎
(
き
)
」
突如
(
とつじょ
)
として山
崩
(
くず
)
れ落つ
鵯越
(
ひよどりごえ
)
の
逆落
(
さかおと
)
し、
四絃
(
しげん
)
を
奔
(
はし
)
る
撥音
(
ばちおと
)
急雨
(
きゅうう
)
の如く、
呀
(
あっ
)
と思う間もなく身は
悲壮
(
ひそう
)
渦中
(
かちゅう
)
に
捲
(
ま
)
きこまれた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その名称を俗にシシ(「宍」にて肉の義)とまで呼ばるるに至った程の
猪
(
い
)
や
鹿
(
しか
)
の肉を喰った者でも、数十日ないし百日間神社参詣を遠慮せねばならぬというが如き
牛捨場馬捨場
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
猪
(
い
)
の
字
(
じ
)
ヶ原の高原、木曾の
切所
(
せっしょ
)
などへかかったら、どうする気だろうと思われるが、小手調べの碓氷峠でも、さして難儀な顔もみせないところは、お十夜も周馬も
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
申し訳けほどの低いカラーを
猪
(
い
)
頸につけた、四斗樽どころの騒ぎじゃない、五斗か六斗樽って大男が、牧場の柵の上に乗っかって、日なたぼくりをしながら
啣
(
くわ
)
え煙管で
瞰
(
み
)
下ろして
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
去年が「
甲戌
(
きのえいぬ
)
」すなわち「
木
(
き
)
の
兄
(
え
)
の
犬
(
いぬ
)
の年」であったからことしは「
乙亥
(
きのとい
)
」で「
木
(
き
)
の
弟
(
と
)
の
猪
(
い
)
の年」になる勘定である。こういう昔ふうな年の数え方は今ではてんで相手にしない人が多い。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「しなが鳥」は
猪名
(
いな
)
につづく枕詞で、しなが鳥即ち
鳰鳥
(
におどり
)
が、
居並
(
いなら
)
ぶの
居
(
い
)
と
猪
(
い
)
とが同音であるから、猪名の枕詞になった。猪名野は摂津、今の豊能川辺両郡に
亙
(
わた
)
った、猪名川流域の平野である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
晋の
宗懍
(
そうりん
)
の『
荊楚歳時記
(
けいそさいじき
)
』註に魏の
董勛
(
とうくん
)
の『問礼俗』に曰く、正月一日を鶏と
為
(
な
)
し、二日を
狗
(
いぬ
)
と為し、三日を羊、四日を
猪
(
い
)
、五日を牛、六日を馬、七日を人と為す。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お浪ははや寝し
猪
(
い
)
の
助
(
すけ
)
が枕の方につい坐って、
呼吸
(
いき
)
さえせぬようこれもまた静まりかえり居る
淋
(
さび
)
しさ。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
主として
猪
(
い
)
の
宍
(
しし
)
、
鹿
(
か
)
の
宍
(
しし
)
であった、かくてその称呼が世人の口に、耳に親しくなった結果として、遂にそれがただちに猪または鹿そのものの名称の如くに用いられる様になったのである。
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「さよう、あの
尖
(
とが
)
った山が
矢筈
(
やはず
)
ヶ
岳
(
たけ
)
、その右手のが
猪
(
い
)
の
背
(
せ
)
山
(
やま
)
とかいいましたよ。まア名なんぞはどうでも、あの
襞
(
ひだ
)
になっている山の
皺
(
しわ
)
が、なんともいえない深味のある色じゃございませんか」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言うが早いか、馬方は
猪
(
い
)
の
鼻
(
はな
)
台
(
だい
)
の平地を
斜
(
はす
)
ッかけに駈け出した。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“猪”の意味
《名詞》
(い、いのしし)主に野生である中型の哺乳類。豚の原種。
(出典:Wiktionary)
“猪(イノシシ)”の解説
イノシシ(日本語:猪・豬、英名:Wild boar、学名:Sus scrofa)は、鯨偶蹄目イノシシ科の動物の一種。本種を家畜化したものがブタである。
(出典:Wikipedia)
猪
漢検準1級
部首:⽝
11画
“猪”を含む語句
野猪
一猪口
猪口
猪首
猪突
猪肉
赤猪子
猪武者
猪狩
猪口才
猪牙
猪牙舟
猪牙船
猪子
大猪
猪名野
猪八戒
猪苗代
豪猪
手負猪
...