“撥音”の読み方と例文
読み方割合
ばちおと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
社の格子がさっと開くと、白兎が一羽、太鼓を、抱くようにして、腹をゆすって笑いながら、撥音ばちおとを低く、かすめて打った。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人はだまって耳を澄ますと、舞台では見物の興をそそり立てるような、三味線の撥音ばちおとが調子づいて賑やかにきこえた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「何をいかるやいかの——にわかげきする数千突如とつじょとして山くずれ落つ鵯越ひよどりごえ逆落さかおとし、四絃しげんはし撥音ばちおと急雨きゅううの如く、あっと思う間もなく身は悲壮ひそう渦中かちゅうきこまれた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)