“にぎりし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
握緊60.0%
握占20.0%
握〆10.0%
握締10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はじめて心付くと、厠の戸で冷く握って、今まで握緊にぎりしめていた、左のこぶしに、細い尻尾のひらひらと動くのは、一ぴき守宮やもりである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、おなしたさきれた、とおもふとしぼつてづるのやうななみだとゝもに、ほろり、とさいちた。たなごゝろわするゝばかりこゝろめて握占にぎりしめたときはなうづまくやうに製作せいさくきよういた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
望生ぼうせい萬鍬まんぐわ握〆にぎりしめてる。
若い女は丈伸せのびをするほど手を延ばして吊革つりかわ握締にぎりしめる。その袖口そでぐちからどうかすると脇の下まで見えきそうになるのを、しきりと気にして絶えず片手でメレンスの襦袢じゅばんの袖口を押えている。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)