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気味
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きび
ふりがな文庫
“
気味
(
きび
)” の例文
旧字:
氣味
そらきた、と先生急に糸をたぐり始めるから、何かかかったと思ったら何にもかからない、
餌
(
え
)
がなくなってたばかりだ。いい
気味
(
きび
)
だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
天井を
仰向
(
あおむ
)
いて視ると、
彼方此方
(
あちこち
)
の雨漏りの
暈
(
ぼか
)
したような
染
(
しみ
)
が化物めいた模様になって浮出していて、何だか
気味
(
きび
)
の悪いような部屋だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
きたないものみたいにして、
気味
(
きび
)
のわるいものみたいにして、一口も食べてくれないとは、あまり、あんまり、ひどいじゃないか。(泣き声になる)
春の枯葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「今日までは幽霊だとか何だとか、わしも
気味
(
きび
)
悪かったでやすが、旦那様がおいでになって、もうなんともねえでがすから、早速そうするでがす……」
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「もう家が分ったんだから、
気味
(
きび
)
の悪いことを言わずに気を落ちつけ給え。氷で
些
(
ち
)
っと頭を冷しちゃ何うだい?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
なあにあの婆さんが
唯怖
(
ただこは
)
いのぢやありませんよ。それは
気味
(
きび
)
は悪うございますけれどもさ、怖いより、気味が悪いより、何と無く
凄
(
すご
)
くて
耐
(
たま
)
らないのです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この
時
(
とき
)
涙
(
なみだ
)
はらはらと
湧
(
わ
)
いて
来
(
き
)
た。
地面
(
ぢめん
)
に
身
(
み
)
を
伏
(
ふ
)
せ、
気味
(
きび
)
の
悪
(
わる
)
い
唇
(
くちびる
)
ではあるが、
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
に
接吻
(
せつぷん
)
して
大声
(
おほごゑ
)
に
叫
(
さけ
)
んだ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
何を云うかわからん、
気味
(
きび
)
の悪いところがこの男のネウチで、
啣
(
くわ
)
え
煙管
(
ぎせる
)
のまま私の
掌
(
てのひら
)
を見ておりましたが
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
……といったって誰もかばい手はない、ざまァみろ、いゝ
気味
(
きび
)
だ、みんなそれも心がらだ……
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
お
神楽
(
かぐら
)
だけのことはありしも
気味
(
きび
)
よし、それよりは江戸で一二といわるる大寺の脆く倒れたも仔細こそあれ、実は
檀徒
(
だんと
)
から多分の寄附金集めながら役僧の
私曲
(
わたくし
)
、受負師の手品
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
甚「
気味
(
きび
)
の悪い奴が飛込んで来たな、
薄気味
(
うすきび
)
の悪い、鎌を
手前
(
てめえ
)
が持って居るから
悪
(
わり
)
いのだ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やあい、やあい、いい
気味
(
きび
)
だ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「
気味
(
きび
)
が悪いわね……」
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
... さすがの僕もその時ばかりははっと息の穴が
塞
(
ふさが
)
ったかと思ったよ」「もう御やめになさいよ。
気味
(
きび
)
の悪るい」と細君しきりに
怖
(
こわ
)
がっている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(睦子の手から線香花火を取っていじりながら)冬の花火なんて、何だか
気味
(
きび
)
が悪いわねえ。さっき睦子が持っているのをちらと見た時、なぜだか、ぎょっとしたわよ。
冬の花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ナメラというのは小さい鰒で、
全身
(
ごたい
)
が真黒でヌラッとした見るからに
気味
(
きび
)
の悪い恰好をしておりますが大抵の
鰒好
(
ふくくい
)
が『鰒は洗いよう一つで
中毒
(
あた
)
らん。しかしナメラだけはそう行かん』
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「大方そんな見当だろうと思っていた。掘り出しものだと言って頻りにくれるが、考えて見ると、私は然う/\唯で貰う
謂
(
いわ
)
れがないから、少し
気味
(
きび
)
が悪くなった。ところで昨夜のことさ」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
御神楽だけの事はありしも
気味
(
きび
)
よし、それよりは江戸で一二といはるゝ大寺の脆く倒れたも仔細こそあれ、実は檀徒から多分の寄附金集めながら役僧の
私曲
(
わたくし
)
、受負師の手品、そこにはそこの有りし由
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
甚「
気味
(
きび
)
の悪い事ばかり云やアがって、
何
(
な
)
んで」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
野だが山嵐を見て
天麩羅
(
てんぷら
)
と云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい
気味
(
きび
)
だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのうちに大惣がクタビレて来たらしく、
気味
(
きび
)
の悪いくらい静かになって来た。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と父親がもう承諾していたのには、新太郎君、少し
気味
(
きび
)
が悪かった。しかしお許しの出た上は
御意
(
ぎょい
)
の変らない中にと、早速店の方を休むことにして、
逗子
(
ずし
)
の避暑宿へ問合せの手紙を出した。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しんそこから、あたしという女を
軽蔑
(
けいべつ
)
し、薄きたない
気味
(
きび
)
の悪いものに思うにきまっていますよ。あたしは、うっかり、自分の貧乏を口にすることも出来やしない。あなたたちは違うのよ。
春の枯葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
安「エヽ出ましたか、
気味
(
きび
)
の悪い」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
否
椀底
(
わんてい
)
の様子を熟視すればするほど
気味
(
きび
)
が悪くなって、食うのが厭になったのである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と私は少し
気味
(
きび
)
が悪くなった。チブスも種類に依っては毒素が脳を侵すという。その結果自分の頭は硝子で出来ているなぞと言い出して周囲のものに好い苦労をかけるのがあると聞いている。
閣下
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
今朝見た通りの餅が、今朝見た通りの色で椀の底に
膠着
(
こうちゃく
)
している。白状するが餅というものは今まで一
辺
(
ぺん
)
も口に入れた事がない。見るとうまそうにもあるし、また少しは
気味
(
きび
)
がわるくもある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「チブスか? 此奴も
気味
(
きび
)
が悪い。そうしてやっ張り御一緒だろう?」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「なぜって、
気味
(
きび
)
が悪くっていても
起
(
た
)
ってもいられませんもの」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
気味
(
きび
)
が悪いね。ああ、地震がなくてくれれば宜い」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「好い
気味
(
きび
)
ですわ、悪口ばかり仰有るから」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「君からそう言われると
気味
(
きび
)
が悪いよ」
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と田鶴子さんは
気味
(
きび
)
悪がった。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
私は好い
気味
(
きび
)
だと思った。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「まあ、
気味
(
きび
)
の悪いこと」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
気味
(
きび
)
が悪いな」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
好
(
い
)
い
気味
(
きび
)
よ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“気味”で始まる語句
気味悪
気味合
気味助