“おごそか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
57.4%
14.9%
厳粛8.5%
荘厳8.5%
厳格6.4%
森厳2.1%
2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの沙門は悠々と看督長かどのおさの拝に答えてから、砂を敷いた御庭の中へ、恐れげもなく進み出て、こうおごそかな声で申しました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
市長ボデスタは客を招き筵を張ることありや。ポツジヨ。稀にそのことなきにあらず。されど招請せうせいつゝしむこといとおごそかなり。
画家のアトリエというよりはむしろ科学者の実験室のように冷く厳粛おごそかなものとして置いた書斎の中に、そうして忸々なれなれしくいられることを彼女は夢のようにすら楽しく思うらしかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一段低い外陣に引下つて、反対の側にかしこまつたは、若僧。やがてかねの音が荘厳おごそかに響き渡る。合唱の声は起つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何となく優しく又何となく厳格おごそかにも見える。
その青々とした美しい姿は、一層夕暮の眺望を森厳おごそかにして見せる。丑松は眺め入り乍ら、自分の一生を考へて歩いた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それは丑松の為に長い別離わかれを告げるやうにも、白々と明初あけそめた一生のあけぼのを報せるやうにも聞える。深い、森厳おごそかな音響に胸を打たれて、思はず丑松は首を垂れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
鬚深ひげふか横面よこづら貼薬はりくすりしたる荒尾譲介あらおじようすけは既にあを酔醒ゑひさめて、煌々こうこうたる空気ラムプの前に襞襀ひだもあらぬはかまひざ丈六じようろくに組みて、接待莨せつたいたばこの葉巻をくゆしつつ意気おごそかに、打萎うちしをれたる宮と熊の敷皮をななめに差向ひたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)