トップ
>
厳粛
>
おごそか
ふりがな文庫
“
厳粛
(
おごそか
)” の例文
旧字:
嚴肅
貫一は気を
厳粛
(
おごそか
)
にして
逼
(
せま
)
れるなり。さては男も是非無げに声
出
(
いだ
)
すべき力も有らぬ口を開きて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
画家のアトリエというよりは
寧
(
むし
)
ろ科学者の実験室のように冷く
厳粛
(
おごそか
)
なものとして置いた書斎の中に、そうして
忸々
(
なれなれ
)
しくいられることを彼女は夢のようにすら楽しく思うらしかった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
行末
怎
(
ど
)
うなるのか! といふ
真摯
(
まじめ
)
な考への横合から、富江の
躁
(
はしや
)
いだ笑声が響く。ツと、信吾の生白い顔が
脳
(
あたま
)
に浮ぶ、——智恵子は
厳粛
(
おごそか
)
な顔をして、屹と自分を
譴
(
たしな
)
める様に唇を噛んだ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
あだかも深い林の中に消えて行く光のように。そこには
眼
(
ま
)
ばたきするように輝いて来た堂内の
燈火
(
ともしび
)
と、時々響き渡る重い入口の
扉
(
ドア
)
の音と、
厳粛
(
おごそか
)
に沈んで行く
黄昏時
(
たそがれどき
)
の暗さとが残った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何故というに、彼は世の多くの罪人が、無慈悲な社会の
嘲笑
(
ちょうしょう
)
の石に打たるるよりも、むしろ冷やかに
厳粛
(
おごそか
)
な法律の
鞭
(
むち
)
を甘受しようとする、その
傷
(
いた
)
ましい心持に同感することが出来たからである。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
奥座敷の方へも進んで行って、神葬の古式による清げな白木の壇の前にひざまずき、畳の上に
額
(
ひたい
)
をすりつけて、もはやこの世の一切の悲しいや苦しいも越えているように
厳粛
(
おごそか
)
な師匠の死顔を拝した。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
厳
常用漢字
小6
部首:⼚
17画
粛
常用漢字
中学
部首:⾀
11画
“厳粛”で始まる語句
厳粛味