“忸々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なれなれ75.0%
なれ/\25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
妹達が「兄さん、兄さん」と言ってめずらしがれば、お新も同じように彼を呼んで、まるで親身の妹かなんぞのように忸々なれなれしく彼の傍へ来た。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
よく眠れたかとか、郷里くにの夢を見なかつたかとか、お吉は昨晩ゆうべよりもズツト忸々なれなれしく種々いろいろな事を言つてくれたが
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして富江の阿婆摺あばずれた調子、殊にも信吾に對する忸々なれ/\しい態度は、日頃富江を心に輕んじてゐる智惠子をして多少の不快を感ぜしめぬ譯にいかなつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
子供の時分からの馴染のような顔付をした斯の訪問者が、復た忸々なれ/\しく私の側へ来た。正直に言うと、この足繁く訪ねて来る客の顔を見る度に、私は「冬」以上の醜さを感じて居た。
三人の訪問者 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)