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忸々
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なれなれ
ふりがな文庫
“
忸々
(
なれなれ
)” の例文
妹達が「兄さん、兄さん」と言ってめずらしがれば、お新も同じように彼を呼んで、まるで親身の妹かなんぞのように
忸々
(
なれなれ
)
しく彼の傍へ来た。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
よく眠れたかとか、
郷里
(
くに
)
の夢を見なかつたかとか、お吉は
昨晩
(
ゆうべ
)
よりもズツト
忸々
(
なれなれ
)
しく
種々
(
いろいろ
)
な事を言つてくれたが
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「いらっしゃいまし」
忸々
(
なれなれ
)
しく一つの笑顔が彼を迎えた。
乗合自動車
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
そして富江の阿婆摺れた調子、殊にも信吾に対する
忸々
(
なれなれ
)
しい態度は、日頃富江を心に
軽
(
かろ
)
んじてゐる智恵子をして多少の不快を感ぜしめぬ訳にいかなかつた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と学士は今までにない
忸々
(
なれなれ
)
しい調子で話し掛けて、高瀬と一緒に石垣
側
(
わき
)
の段々を貧しい裏町の方へ降りた。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
と岸本も
忸々
(
なれなれ
)
しく言った。彼は十五六ばかりになるその少年を小舟に乗る時の相手として、よく船宿から借りて連れて行った。少年ながらに
櫓
(
ろ
)
を押すことは巧みであった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
路で逢ふ人には、
何日
(
いつ
)
になく
忸々
(
なれなれ
)
しく此方から優しい声を懸けた。作右衛門店にも寄つて、お八重は
帉帨
(
ハンケチ
)
を二枚買つて、一枚はお定に呉れた。何処ともない笑声、子供の泣く声もする。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
画家のアトリエというよりは
寧
(
むし
)
ろ科学者の実験室のように冷く
厳粛
(
おごそか
)
なものとして置いた書斎の中に、そうして
忸々
(
なれなれ
)
しくいられることを彼女は夢のようにすら楽しく思うらしかった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
以前は、「オイ、三公」なぞと
忸々
(
なれなれ
)
しく呼んだ旦那衆が、改まってやって来て、「小泉君」とか「三吉君」とか言葉を掛けた。主人を始め、集って来る人達は大抵忠寛の以前の弟子であった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
次第に玉木さんも捨吉と
忸々
(
なれなれ
)
しい口を利くように成ったのである。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お俊は叔父の側へ来て、余計に
忸々
(
なれなれ
)
しく言葉を掛けた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
W君はこの人達と懇意で、話し方も
忸々
(
なれなれ
)
しい。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そんな
忸々
(
なれなれ
)
しさは見られなかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
忸
漢検1級
部首:⼼
7画
々
3画
“忸々”で始まる語句
忸々敷