“なれ/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
馴々65.0%
慣々15.0%
忸々15.0%
狎々5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新三郎とお露と並んで坐っているさまはまことの夫婦のようで、今は耻かしいのも何も打忘うちわすれてお互いに馴々なれ/\しく
目科は牢に入るよりもおおいに彼れが気を引立んとする如く慣々なれ/\しき調子にて「おやおや何うしたと云うのだ、其様にふさいでばかり居ては仕様が無い」
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
子供の時分からの馴染のような顔付をした斯の訪問者が、復た忸々なれ/\しく私の側へ来た。正直に言うと、この足繁く訪ねて来る客の顔を見る度に、私は「冬」以上の醜さを感じて居た。
三人の訪問者 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
長い間の友達にでも云ふやうな、男を男とも思つてゐないやうな夫人の声は、媚羞と狎々なれ/\しさに充ちてゐた。しかも、その声は、何と云ふ美しい響と魅力とを持つてゐただらう。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)