慣々なれ/\)” の例文
この對話の間、女あるじは我等に酒をすゝめて、ジエンナロの慣々なれ/\しきをもにくむ色なく、尚暫く無邪氣なる應答をなし居たり。
目科は牢に入るよりもおおいに彼れが気を引立んとする如く慣々なれ/\しき調子にて「おやおや何うしたと云うのだ、其様にふさいでばかり居ては仕様が無い」
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
主婦かみさんに導かれて、二人はずつと奥の座敷へ通つた。そこには炬燵こたつが有つて、先客一人、五十あまりの坊主、直に慣々なれ/\しく声を掛けたところを見ると、かねて懇意の仲ででも有らう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
慣々なれ/\しい調子で話し出した。相変らず快活なは斯の人。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)