森厳おごそか)” の例文
旧字:森嚴
その青々とした美しい姿は、一層夕暮の眺望を森厳おごそかにして見せる。丑松は眺め入り乍ら、自分の一生を考へて歩いた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それは丑松の為に長い別離わかれを告げるやうにも、白々と明初あけそめた一生のあけぼのを報せるやうにも聞える。深い、森厳おごそかな音響に胸を打たれて、思はず丑松は首を垂れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)