おごそか)” の例文
新字:
我等これが許にいたりぬ、あゝロムバルディアの魂よ、汝の姿は軒昂けだかくまたいかめしく、汝の目はおごそかにまたゆるやかに動けるよ 六一—六三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
市長ボデスタは客を招き筵を張ることありや。ポツジヨ。稀にそのことなきにあらず。されど招請せうせいつゝしむこといとおごそかなり。
その時の良秀には、何故なぜか人間とは思はれない夢に見る獅子王の怒りに似た、怪しげなおごそかさがございました。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
淺草寺あさくさでら觀世音くわんぜおん八方はつぱうなかに、幾十萬いくじふまん生命いのちたすけて、あき樹立こだちもみどりにして、仁王門にわうもん五重ごぢうたふとともに、やなぎもしだれて、つゆのしたゝるばかりおごそか氣高けだか燒殘やけのこつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たれもひとしきおごそかおもひたいあふれてむねに滿つるを……
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
ひとりの尊き淑女天にあり、わが汝を遣はすにいたれるこの障礙しやうげのおこれるをあはれみて天上のおごそかなる審判さばきを抂ぐ 九四—九六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その始めて現はるゝや、萬客屏息へいそくしてこれを仰ぎたり。その態度、そのおごそかなること王者の如くにして、しかもかろらかに優しき態度には、人も我もたゞちに心を奪はれぬ。
おごそか申渡まをしわたさるれば、並居なみゐ老職らうしよく諸役人しよやくにんみゝそばだみはれり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我を責むるおごそかなる正義は、我に歎息ためいきをいよ/\しげく飛ばさしめんとてその手段てだてをわが罪を犯せる處に得たり 七〇—七二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
されどわが嘗て受けし教と、げんいだけるけんとは、俘囚とりこたるにあらずして、君等が間に伍すべきやうなし。これを聞きて、我を伴ひ來し男の顏は、忽ちおごそかなる色を見せたり。