-
トップ
>
-
威嚴
テムプル先生は、いつも彼女の容子に何か靜かな
朗らかなものを、態度にどことない
威嚴を、言葉には
品よく穩かなものを持つてゐた。
高岡軍曹は
暫くみんなの
顏を
見てゐたが、やがて
何時ものやうに
胸を
張つて、
上官らしい
威嚴を
見せるやうに
一聲高く
咳をした。
目つきの
凄くて
人を
射るやうなるも
威嚴の
備はれるかと
嬉しく、
濃き
髮の
毛を
短かく
刈あげて
頬足のくつきりとせしなど
今更のやうに
眺られ、
何をうつとりして
居ると
問はれて