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威嚴
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いげん
高岡軍曹は
暫くみんなの
顏を
見てゐたが、やがて
何時ものやうに
胸を
張つて、
上官らしい
威嚴を
見せるやうに
一聲高く
咳をした。
目つきの
凄くて
人を
射るやうなるも
威嚴の
備はれるかと
嬉しく、
濃き
髮の
毛を
短かく
刈あげて
頬足のくつきりとせしなど
今更のやうに
眺られ、
何をうつとりして
居ると
問はれて
壯烈なる
剛腸屡ば
破天荒の
暴圖を
企て、シベリアの
霜雪をして
自然の
威嚴を
失はしむ。
遠くから
見ますと
小山のようであり、
近くに
行きますと
大きな
松の
木が
御陵のまはりに
生え
茂つて
實に
神々しく、
參拜者は
誰でもその
威嚴に
打たれるのであります。(
第六十三圖)