“いら/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苛々51.2%
焦々24.4%
燥々9.8%
焦燥7.3%
憔々2.4%
燥氣2.4%
苛苛2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大阪のやうな土地に住んでゐると、なんだか苛々いら/\して氣が落ちつかない。いつそ太夫の商賣をやめて、かういふ靜なところに隱居するかな。
近松半二の死 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
が、電話をかける気にはなりましたものの、不当に呼び出された事に依って、可なり焦々いら/\して居ました。
たちあな姫 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
燥々いら/\しながら立つて毛布ケツトをはたいた、煙草シガアの灰が蛇の抜殻のくづるる様にちる、私は熱湯の中に怖々おづ/\身体からだを沈める時に感ずる異様な悪感に顫へながら強ひて落着いた風をしてぢつと坐つて見た。
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
根も性も尽き果てゝ了ふやうな焦燥いら/\した心持から、兎にも角にも自然の静かな懐の中に入つて行くといふことは、女の人達に取つても、何とも言はれない慰藉であるに相違なかつた。
女の温泉 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
兵士と工人、これは同一運命を荷っている双生児ではないだろうか? 昼間の憔々いら/\しい労働は、二人を共に極度の疲憊ひはいへ追いこんでいた。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
始終しゞゆう興奮こうふんして、燥氣いら/\して、曖※あいまいなあるつことでつてゐる樣子やうす
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
みんなの神経は苛苛いら/\として居るけれど
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)