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焦々
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いら/\
ふりがな文庫
“
焦々
(
いら/\
)” の例文
「さア早う入つて、
善哉
(
ぜんざい
)
喰べやうやないか。何ぐづ/\してるんや。」と、急に
焦々
(
いら/\
)
した風をして、源太郎は
善哉
(
ぜんざい
)
屋の暖簾を潛らうとした。
鱧の皮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
が、電話をかける気にはなりましたものの、不当に呼び出された事に依って、可なり
焦々
(
いら/\
)
して居ました。
たちあな姫
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それに、態度がいつも沈著で、読んで字の如き白眼を近眼鏡の下に光らせて、能弁に併し極低調に語る口吻が冷静であつたので、聴いてゐて
焦々
(
いら/\
)
するやうなことはなかつた。
斎藤緑雨と内田不知菴
(新字旧仮名)
/
坪内逍遥
(著)
私は
焦々
(
いら/\
)
して來た。一つ二つのせか/\した
動作
(
どうさ
)
と、彼の顏に注いだ熱心なきつとした視線が、言葉と同じ位に確實に、しかもより少い面倒さを以て彼にその氣持を傳へた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
陽に
晒
(
さら
)
した毛のまばらな生剥ぎの皮を見るような寂しく
焦々
(
いら/\
)
しい感じを起させます。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
のみならず、
焦々
(
いら/\
)
した学校時代などには半分夢中で附合つて居た人、名前は知らなくても毎日叔父さんの
家
(
うち
)
の前を通る人、噂に聞いた人、
其他
(
そのほか
)
種々
(
いろ/\
)
な女の人を真実に見分るやうに成つた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その取乱した姿勢を見ると、「なぜあんな男に」かう
焦々
(
いら/\
)
と責めたくなる。……娘が何かのわたしの暴言を、さも聞きづらいといふ風に
咎
(
とが
)
め立てした時、わたしは娘を荒々しく突き飛ばした。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
時々、自分は何か一足飛びな事を仕出かさねばならぬやうに
焦々
(
いら/\
)
するが、何をして可いか
目的
(
めあて
)
がない。さういふ時は、世の中は不平で不平で耐らない。それが濟むと、何もかも莫迦臭くなる。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「さア早う入つて、善哉喰べようやないか。何ぐづ/\してるんや。」と、急に
焦々
(
いら/\
)
した風をして、源太郎は善哉屋の暖簾を潜らうとした。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
思つたのだつて! 思つたのだつて! 成程、君の云ふのを聞いてると
焦々
(
いら/\
)
してくるよ。だがしかし、君は負傷してゐる、而も私の忠告を
容
(
い
)
れなかつたといふ
廉
(
かど
)
で結構負傷してもいゝのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼は
焦々
(
いら/\
)
した調子でかう言つて、束になつた葉書や手紙の中から、赤い印紙を二枚貼つた封の厚いのを取り出した。
鱧の皮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
輝やかしい夜の街にはつきり照し出されたのを見ると、その箱馬車は私がセリイヌにやつたものだと分りました。彼女が歸つたのです。無論私の胸は
凭
(
もた
)
れてゐた鐵の手摺を
焦々
(
いら/\
)
と打ちましたよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼は
焦々
(
いら/\
)
した調子でかう言つて、束になつた葉書や手紙の中から、赤い印紙を二枚
貼
(
は
)
つた封の厚いのを取り出した。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
お光は
焦々
(
いら/\
)
した揚句に、またコートを取り出し、それを着て、シヨールを掛けて、四季袋を提げて、洋傘を持つて、柱にかけてある
麥酒
(
ビール
)
の廣告附きの細長い鏡の前に進み
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
焦
常用漢字
中学
部首:⽕
12画
々
3画
“焦”で始まる語句
焦
焦躁
焦燥
焦心
焦立
焦慮
焦点
焦茶
焦眉
焦土