-
トップ
>
-
せきごころ
と
急心に
赫となって、
戦く膝を
支いて、ぐい、と手を懸ける、とぐったりした
腕が柔かに動いて、
脇明を
辷った
手尖が胸へかかった処を、ずッと膝を入れて横抱きに
抱き上げると
雑所も
急心に、ものをも言わず有合わせた
朱筆を取って、乳を分けて
朱い人。
さてはと推せし胸の内は
瞋恚に燃えて、
可憎き人の
疾く出で
来よかし、
如何なる
貌して我を見んと
為らん、と
焦心に待つ間のいとどしう
久かりしに、貫一はなかなか
出で来ずして
涙含みつつ宮が
焦心になれるを、母は打惑ひて