“朱筆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅふで70.0%
しゅひつ10.0%
しゆふで10.0%
シュヒツ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
良平りょうへいはある雑誌社に校正の朱筆しゅふでを握っている。しかしそれは本意ではない。彼は少しの暇さえあれば、翻訳ほんやくのマルクスを耽読たんどくしている。
百合 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
また、文の行間にも、朱筆しゅひつで点々を打ったり、こまかい書入れが、やたらにみえる。——すべて送りぬしの、頼源僧都の筆蹟なのだ。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其隣がお由と呼ばれた寡婦やもめの家、入口の戸は鎖されたが、店のすすび果てた二枚の障子——その処々に、朱筆しゆふでで直した痕の見える平仮名の清書が横に逆様に貼られた——に、火光あかりが映つてゐる。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
四、寝台シンダイ。木ヲ組合ワセテ作リタル丈夫ジョウブナルモノ。台ノ内側又ハ蒲団綿フトンワタノ中に、朱筆シュヒツヲ以テ6033ト記シタル唐紙片トウシヘンヲ発見セラルベシ。