朱筆しゆふで)” の例文
其隣がお由と呼ばれた寡婦やもめの家、入口の戸は鎖されたが、店のすすび果てた二枚の障子——その処々に、朱筆しゆふでで直した痕の見える平仮名の清書が横に逆様に貼られた——に、火光あかりが映つてゐる。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)