焦心いきりだ)” の例文
おりから、十六夜いざよいの冬の月寒々と空に冴え返り見渡す限り丘も山も雪の白無垢しろむくに包まれて白一色の物凄さ。忽然その時四方の山から飢えと寒さに焦心いきりだった狼の声々が聞こえて来た。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)