じら)” の例文
そんならそうと、早くおっしゃって下さればいいに、じらさないで早くそれをここへ出して頂戴な
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
このポンコツというのは我々鉄道屋仲間の言葉で轢死れきしのことをいうのですが、私も昨年学校をてすぐ鉄道の試験を受け、幸い合格はしたもののどういう関係かさんざじらされた揚句あげく
(新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「へえとんだ相伴役さ。人じらしの相伴野郎。ではいよいよ云わねえつもりか!」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ひとを置き去りにして、何とかして何とか、てててててと云ううたをうたって、大いにじらして置いて、他が大迷おおまごつきに、まごついて、穴のかどへ頭をぶっつけて割って見ようとまで思ったあげく
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
金銭に積ってはいくらでもないが、ある方面の神経をじらすにはくっきょうな利目ききめのある仕事だ
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
変に人じらしの野郎じゃねえか。……あ、柄から手を放しやがった
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さあいつ頃帰るかな」わざとじらすような口調をもって
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)