“日焦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひや63.6%
ひやけ36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
田舍の内儀——それも中年過ぎの日焦ひやけのした、大年増を豫想した平次も八五郎も、ハツと息を呑んだのも無理のないことでした。
小初は、み台のやぐらの上板に立ち上った。うでを額にかざして、空の雲気を見廻みまわした。軽く矩形くけいもたげた右の上側はココア色に日焦ひやけしている。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その海水浴で日焦ひやけした位の皮膚の跡が、後には化膿かのうを伴う火傷やけどとなり、数カ月も治療を要したのだが、この時はまだこの兄もなかなか元気であった。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
白木綿しろもめんが、ねずみ木綿とまがうほど、ほこり雨露あめつゆに汚れていた。油気のない髪、日焦ひやけ痩落やせおちている頬、どことなく、志を得ない人間の疲れと困憊こんぱいまとっていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)