日焦ひやけ)” の例文
その海水浴で日焦ひやけした位の皮膚の跡が、後には化膿かのうを伴う火傷やけどとなり、数カ月も治療を要したのだが、この時はまだこの兄もなかなか元気であった。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
白木綿しろもめんが、ねずみ木綿とまがうほど、ほこり雨露あめつゆに汚れていた。油気のない髪、日焦ひやけ痩落やせおちている頬、どことなく、志を得ない人間の疲れと困憊こんぱいまとっていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この頃はいくらか日焦ひやけがして、目の色も鋭くなっていたが、お島が暫くでも夫婦ものの旅行と見られるのが嬉しいような、目眩まぶしいような気持のするほど、それは様子が好かった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「右ノ腕ガエラク日焦ひやけシテイルネ」
瘋癲老人日記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)