“いび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イビ
語句割合
萎靡46.6%
揖斐15.5%
萎微13.8%
8.6%
5.2%
1.7%
1.7%
1.7%
1.7%
1.7%
萎薾1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暴動はすべて、商店を閉ざし、資本を萎靡いびさせ、相場に恐慌をきたさせ、取り引きをめ、事業を遅滞させ、破産を招致する。金融は止まる。
その地蔵が稲葉郡鏡島村にあり、同郡北長森村にもあり、揖斐いび郡谷汲村にも、同郡大和村にもあって、すこぶる多いのは、その地方の特色と見てよい。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
もしいて止めさせれば、丁度水分を失った植物か何かのように、先生の旺盛おうせいな活力も即座に萎微いびしてしまうのであろう。
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いびつな性格がさうなるとますます露骨になつて不愉快であるらしかつた、それでも店へ出ることはもとよりやめなかつた、いつまでも「たむら」の看板娘であると信じてゐたかつた
一の酉 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
彼女は夜中までいびきをかいて眠っていて、それから眼をさまして、「ぼんのくぼで、蟻が行列をやっている」
ゆうれい貸屋 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
何時いつの日曜に散歩でもて見ないかと有仰おつしやツたことがあツて? 何時いつだツてうちにばかり引込むでひといびツてばかりゐらツしやるのぢやありませんか。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
一體おれうして何樣こんなに意固地いこぢなんだらう。俺が惡く意固地だから、家が何時いつもごたすたしてゐる。成程俺はさいいびり過ぎる………ンなら妻がにくいのかといふにうでもない。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
駑癡どじだなあ。そんなに締める奴があるかい。もっといびの股をゆるめろい」
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
午後は田圃たんぼ伝いに船橋ふなばしの方に出かける。門を出ると、墓地で蛇を見た。田圃の小川のいびの下では、子供がふなって居る。十丁そこら往って見かえると、吾家も香爐こうろいえ程に小さくかすんで居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
植源の隠居にまかしてある、自分の身のうえに深い不安をいだきながら、毎日々々母親にいびりづめにされていたお島は、ある朝釜の下の火を番しながら
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あいつはリーザをだしに使って俺を苦しめようというのだ——これは明白だ! だからこそリーザをあんなにいびるんだ。つまりそれでもって、過去の一切に對して俺に返報しようって魂膽なんだ。
これを要するに諸人才器齷齪あくさく、天下の大事を論ずるに足らず、が長人をして萎薾いびせしめん。残念々々。足下そっか久坂をのみ頼むなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)