揖斐いび)” の例文
美濃みの揖斐いび郡の山村では、十一月の三日が、氏神の出雲から還りたまう日であって、お神楽かぐられと称して天気がよく荒れる。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その地蔵が稲葉郡鏡島村にあり、同郡北長森村にもあり、揖斐いび郡谷汲村にも、同郡大和村にもあって、すこぶる多いのは、その地方の特色と見てよい。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
桑名をながれる揖斐いび川の水は、今も秋くれば蒼いのにあの万橘の「桑名の殿様」がもう、東京という都会からは、歓迎されずに亡びてゆくか?と考えたら、それも
寄席行灯 (新字新仮名) / 正岡容(著)
古い家じゃが名代なだいで。せんには大きな女郎屋じゃったのが、旅籠屋になったがな、部屋々々も昔風そのままなうちじゃに、奥座敷の欄干てすりの外が、海と一所の、いか揖斐いび川口かわぐちじゃ。白帆の船も通りますわ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
オノネ 美濃揖斐いび郡の山間の村で、オノネというのは、「からむし」の根のことである。さらして粉にして食用に供した。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
蟹五郎 美濃の国には、名だたる揖斐いび川。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しずかに唱えればしずかに立ち、責め念仏といって急いで唱えると、泡もこれに応じてたくさんに浮んだという話であります。(諸国里人談。岐阜県揖斐いび郡谷汲村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
美濃の揖斐いび川上流の徳山村でも、おらぬはずはないのだがムジナという名は知らない。
狸とムジナ (新字新仮名) / 柳田国男(著)
美濃揖斐いび郡徳山村大字戸入字岩ゴロ
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
美濃揖斐いび郡坂内村大字広瀬字大草履
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)