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苦
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くるし
ふりがな文庫
“
苦
(
くるし
)” の例文
其
(
それ
)
が
三聲
(
みこゑ
)
めに
成
(
な
)
ると、
泣
(
な
)
くやうな、
怨
(
うら
)
むやうな、
呻吟
(
うめ
)
くやうな、
苦
(
くるし
)
み
踠
(
もが
)
くかと
思
(
おも
)
ふ
意味
(
いみ
)
が
明
(
あきら
)
かに
籠
(
こも
)
つて
來
(
き
)
て、
新
(
あた
)
らしく
又
(
また
)
耳
(
みゝ
)
を
劈
(
つんざ
)
く……
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なぜと云って、自分の足に合わない靴足袋ならば、決して不利な証拠ではないのです。何を
苦
(
くるし
)
んで重りをつけて沈めたりしましょう。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それについては
郷里
(
くに
)
の方へ何といって返事を出したらいいか、その事に
苦
(
くるし
)
んでいる。尋常一様の返事ではとても承知する
気支
(
きづかえ
)
がなし。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
煩悶の内容こそ違え、二葉亭はあの文三と同じように疑いから疑いへ、
苦
(
くるし
)
みから苦みへ、悶えから悶えへと絶間なく
藻掻
(
もが
)
き通していた。
二葉亭追録
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
多「はい、お前さん何処から出た、
私
(
わし
)
ア死ぬ
苦
(
くるし
)
みをして働く事は何とも思いやせん、有難うがんす、どうか置いておくんなせえよ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
父も家庭に対する
苦
(
くるし
)
み、妻子に対する
苦
(
くるし
)
み、社会に対する
苦
(
くる
)
しみ——
所謂
(
いはゆる
)
中年の
苦痛
(
くるしみ
)
を
抱
(
いだ
)
いて、
其
(
その
)
時
此
(
こ
)
の狭い汚い町を
通
(
とほ
)
つたに
相違
(
さうゐ
)
ない。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
人は各人難問題を抱いて
苦
(
くるし
)
む。その時人の心は一の海である。動揺混乱底止する所を知らない。しかし人の御しがたき海を神は御し給う。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
他
(
ほか
)
の湯治客ほどに雨の日のつれづれに
苦
(
くるし
)
まないのであるが、それでも人の
口真似
(
くちまね
)
をして「どうも困ります」などといっていた。
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それには好い部屋がないから四五日したら帰ると書いた。また病気が再発して
苦
(
くるし
)
んでいると云う事はわざと知らせずにおいた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
南軍と北軍と、軍情おのずから異なること
是
(
かく
)
の如し。一は人
役
(
えき
)
に
就
(
つ
)
くを
苦
(
くるし
)
み、一は人
用
(
よう
)
を
為
(
な
)
すを
楽
(
たのし
)
む。
彼此
(
ひし
)
の差、勝敗に影響せずんばあらず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
姑
(
しゅうとめ
)
と嫁とが一緒に成って、国の方の話を始めると、
必
(
きっ
)
と
終
(
しまい
)
には両方で泣いて了う。二人は互に顔を合せているのも
苦
(
くるし
)
かった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
いはんや漢語以外に幾多の特色あることを知る者
殆
(
ほと
)
んどこれなきに至りては、彼らが蕪村を尊ぶ
所以
(
ゆえん
)
を解するに
苦
(
くるし
)
むなり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そのとき船は
阿弗利加
(
アフリカ
)
沖を
駛
(
はし
)
っていたが、ガルールは仏領南
亜米利加
(
アメリカ
)
はギヤーヌの徒刑場へ流された
苦
(
くるし
)
い経験を思いだし
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
これにて「あゝ」と
苦
(
くるし
)
み、
髻節
(
もとどり
)
をつかまへられしまま一つ廻る中に右の
偏袒
(
かたはだぬぎ
)
となる。ここにてまた左の下腹につつこまる。
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
父在りし日さへ月謝の支出の血を絞るばかりに
苦
(
くるし
)
き
痩世帯
(
やせじよたい
)
なりけるを、当時彼なほ十五歳ながら間の戸主は学ぶに
先
(
さきだ
)
ちて
食
(
くら
)
ふべき急に迫られぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
しか
)
し
其麽
(
そんな
)
ことは
勘次
(
かんじ
)
を
苦
(
くるし
)
めて
其
(
そ
)
のさもしい
心
(
こゝろ
)
の
或
(
ある
)
物
(
もの
)
を
挽囘
(
ばんくわい
)
させる
力
(
ちから
)
を
有
(
いう
)
して
居
(
ゐ
)
ないのみでなく、
殆
(
ほと
)
んど
何
(
なん
)
の
響
(
ひゞき
)
をも
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
傳
(
つた
)
ふるものではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
末の妹の生れる時、
産褥
(
さんじょく
)
で母のあさましく
苦
(
くるし
)
むのを見たり、その後もひよわくて年中両親に心配ばかりかけているその子の事を思うと心配だった。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
マーキュ はて、あの
蒼白
(
あをじろ
)
い
情無
(
じゃうな
)
し
女
(
をんな
)
のローザラインめが
散々
(
さん/″\
)
に
奴
(
やつ
)
を
苦
(
くるし
)
めるによって、
果
(
はて
)
は
狂人
(
きちがひ
)
にもなりかねまいわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
彼奴め頭の傷を説明する事が出来んで
頭挿
(
かんざし
)
で突たなどと
苦
(
くるし
)
がりやがるぞ此方は一目見た時からチャアンと見抜てある所持品の無い訳も分って居るは
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
然るに一月三ヶ日間は、祝として黍餅を雑煮として喰したりしに、三日の夜大に胃痛にて
苦
(
くるし
)
めり。依て四日間は
粥汁
(
おもゆ
)
のみを喰して復常するを得たり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
『では
私
(
わたくし
)
などは
徒
(
いたずら
)
に
苦
(
くるし
)
み、
不満
(
ふまん
)
を
鳴
(
なら
)
し、
人間
(
にんげん
)
の
卑劣
(
ひれつ
)
に
驚
(
おどろ
)
いたりばかりしていますから、
白痴
(
はくち
)
だと
有仰
(
おっしゃ
)
るのでしょう。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
西洋人がこの表題を見たら理解に
苦
(
くるし
)
むであろう。元来関係語である以上、同じ国土を東の人は西と称し、西の者が東と称するは、
猶太
(
ユダヤ
)
の例を以ても知らる。
東西相触れて
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
製品の価格を不法に
吊上
(
つりあ
)
げ、大多数の消費者たる無産階級を層一層物価の
暴騰
(
ぼうとう
)
に由って
苦
(
くるし
)
める結果を生じます。
階級闘争の彼方へ
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
連日
(
れんじつ
)
の
晴天
(
せいてん
)
も一時に
変
(
へん
)
じて雪吹となるは雪中の常也。其
力
(
ちから
)
樹
(
き
)
を
抜
(
ぬき
)
屋
(
いへ
)
を
折
(
くじく
)
。人家これが
為
(
ため
)
に
苦
(
くるし
)
む事
枚挙
(
あげてかぞへ
)
がたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
保は即座に承引して、「御遠慮なく奥さんやお嬢さんをお
連
(
つれ
)
下さい、
追附
(
おっつけ
)
母も弘前から参るはずになっていますから」といった。しかし保は
窃
(
ひそか
)
に心を
苦
(
くるし
)
めた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そは人々なかりせば、我は或は
饑渇
(
きかつ
)
の爲めに
苦
(
くるし
)
められけんも計り難きが故なり。我が人々の爲めに身にふさはしき
業
(
わざ
)
して、恩義に
酬
(
むく
)
いんとせしことは幾度ぞ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
癲癇病とは何の事一
體
(
たい
)
何處から聞て來た
而
(
そし
)
て
和主
(
てまへ
)
は何處の者だサア云聞んと老婆の
憤激
(
ふんげき
)
和吉は
苦
(
くるし
)
き
息
(
いき
)
を
吐
(
つ
)
き
然
(
さう
)
被仰
(
おつしやら
)
れては一言も御座りませねば申し升が何卒此手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
前にもいうた通り我々は
敵
(
かたき
)
同士ではないのだ。俺は初めから君が好きであった。だから俺は君を
苦
(
くるし
)
めたくないけれども、君が俺に敵対する以上はやはり仕方がない。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
あのとき
此奴
(
こいつ
)
は、兄さんに
苦
(
くるし
)
められたのです。兄さんは
護身用
(
ごしんよう
)
に、
携帯感電器
(
けいたいかんでんき
)
をもっていらっしゃる。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ソノ
苦
(
くるし
)
ミヤ
想
(
おも
)
フベシ。
蘆野
(
あしや
)
駅ニ飯ス。
此
(
ここ
)
ニ至ツテ路
平坦
(
へいたん
)
。雨モマタ
歇
(
や
)
ム。
田塍
(
でんしょう
)
数百
頃
(
けい
)
未収穫ニ及バズ。稲茎
僅
(
わずか
)
ニ尺余。穂皆直立シ蒼蒼然トシテ七、八月ノ際ノ如シ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
併
(
しか
)
し僕等を最も力
附
(
づ
)
ける芸術は、僕等と同じ時代に、僕等と共に
苦
(
くるし
)
み、共に踠
(
もが
)
いて、最もよく現代を領解し、最もよく未来を見越した芸術家に期待せねばならぬ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
それだから
何方
(
どっち
)
が会心の作か一寸判断に
苦
(
くるし
)
むが、兎に角僕の成長をこれほどまで祝してくれたかと思ったら嬉しかった。実際僕は筍のように伸びる。親類へ行っても
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
稽古の窓に向つて
三諦止觀
(
さんたいしくわん
)
の月を樂める身も、一
朝
(
てう
)
折りかへす
花染
(
はなぞめ
)
の
香
(
か
)
に
幾年
(
いくとせ
)
の
行業
(
かうげふ
)
を捨てし人、
百夜
(
もゝよ
)
の
榻
(
しぢ
)
の
端書
(
はしがき
)
につれなき君を怨みわびて、亂れ
苦
(
くるし
)
き
忍草
(
しのぶぐさ
)
の露と消えにし人
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
然
(
しか
)
し
此
(
この
)
日
(
ひ
)
は、
無論
(
むろん
)
空腹
(
くうふく
)
の
儘
(
まゝ
)
に
暮
(
く
)
れて、
夜
(
よ
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
間
(
ま
)
も、
始終
(
しじう
)
食物
(
しよくもつ
)
の
事
(
こと
)
を
夢
(
ゆめみ
)
て
居
(
を
)
るといふ
次第
(
しだい
)
、
翌日
(
よくじつ
)
になると
苦
(
くるし
)
さは
又
(
また
)
一倍
(
いちばい
)
、
少年
(
せうねん
)
と
二人
(
ふたり
)
で
色
(
いろ
)
青
(
あを
)
ざめて、
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあ
)
はして
居
(
を
)
るばかり
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
また
例
(
たと
)
へば、
父母
(
ふぼ
)
はとと
樣
(
さま
)
、はは
樣
(
さま
)
と
呼
(
よ
)
んで
少
(
すこ
)
しも
差
(
さ
)
し
支
(
つか
)
へなきのみならず、
却
(
かへつ
)
て
恩愛
(
おんあい
)
の
情
(
ぜう
)
が
籠
(
こも
)
るのに、
何
(
なに
)
を
苦
(
くるし
)
んでかパパ
樣
(
さま
)
、ママ
樣
(
さま
)
と、
歐米
(
おうべい
)
に
模倣
(
もはう
)
させてゐるものが
往々
(
わう/\
)
ある。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
此
(
かく
)
の如き事を考ふれば、私の如く信仰といふこともなく、安心立命とは行かぬ流義の人間にても、多少世間の事に
苦
(
くるし
)
めらるることなくなり、
自得
(
じとく
)
するやうなる処も有之やう存候。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
つい
其
(
そ
)
の自分で勝手に
苦
(
くるし
)
んで勝手に色々なことを、馬鹿な訳にも立たん事を
考
(
かん
)
がえて
居
(
お
)
るもんですから、つい見境もなく
饒舌
(
しゃべる
)
のです。
否
(
いいえ
)
、
誰
(
だれ
)
にも
斯
(
そ
)
んなことを言った事はないのです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
殊
(
こと
)
に
我
(
わ
)
れ
庭男
(
にはをとこ
)
などに
目
(
め
)
の
付
(
つ
)
く
筈
(
はず
)
なければ、
最初
(
はじめ
)
より
艷書
(
ふみ
)
と
知
(
し
)
りては、
手
(
て
)
に
觸
(
ふ
)
れ
給
(
たま
)
ふか
否
(
いな
)
か
其處
(
そこ
)
まことに
危
(
あや
)
ふし、
如何
(
いか
)
にせんと
思案
(
しあん
)
に
苦
(
くるし
)
みしが、
夫
(
そ
)
れよ、
人目
(
ひとめ
)
にふるヽは
何
(
ど
)
の
道
(
みち
)
おなじこと
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
スルト私はどちらでも
宜
(
よろ
)
しい、義不義、口の
先
(
さ
)
きで自由自在、君が義士と云えば僕は不義士にする、君が不義士と云えば僕は義士にして見せよう、サア来い、幾度来ても
苦
(
くるし
)
くないと
云
(
いっ
)
て
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
尾花
丈
(
せ
)
高
(
たか
)
く
生茂
(
おいしげ
)
れる中に、斜めにたてる
石仏
(
いしぼとけ
)
は、
雪山
(
せつざん
)
に悩む
釈迦仏
(
しゃかぶつ
)
かと忍ばる。——
只
(
と
)
見れば
苔
(
こけ
)
蒸したる石畳の上に。一羽の
雉子
(
きぎす
)
身体
(
みうち
)
に
弾丸
(
たま
)
を受けしと覚しく、飛ぶこともならで
苦
(
くるし
)
みをるに。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
お宅のは
勃然
(
むっくり
)
起きましてな、キリキリと二三遍廻って、パタリと倒れると、仰向きになってこう
四足
(
よつあし
)
を突張りましてな、尻尾でバタバタ
地面
(
ちべた
)
を叩いたのは、あれは大方
苦
(
くるし
)
がったんでしょうが
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
世人が史学に注目するに至れるは
頗
(
すこぶ
)
る喜ぶべきの観あり。然れども思へよ、史学の根底は正確なる事実にあり。而も在来の伝説史籍、謬説世を誤り
訛伝
(
かでん
)
真を蔽ひ炯眼の士なほかつ之が弁別に
苦
(
くるし
)
む。
史論の流行
(新字旧仮名)
/
津田左右吉
(著)
少し
旱
(
ひで
)
りがつゞくと河筋にゆとりが無いから水落が早くていけないといふ實に手前勝手を
極
(
き
)
めたもので、コンナ殆んど出來ない相談といふをぼやいて一年中泣いたり笑つたり、
苦
(
くるし
)
んだりして居る。
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
是れ彼が無惨の死に終りし
動力
(
モチイブ
)
なり、源因なり、伏線なり。別言すれば彼は術語の罪過を犯せしものなり。孔子の
饑餓
(
きが
)
に
苦
(
くるし
)
められしことあるも、
孟子
(
まうし
)
が
轗軻
(
かんか
)
不遇に終りしも、帰する所は同一理なり。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
「戦争に全勝せよ、
夫
(
さ
)
れど我等は益々
苦
(
くるし
)
まん」との微風の如き
私語
(
さゝやき
)
を聴く、去れば九州炭山坑夫が昨秋来増賃請求の同盟沙汰伝はりてより、同一の境遇に同一の利害を感ずる各種の労働者協同して
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
危岩
突兀
(
とつこつ
)
勢
将
(
まさ
)
に頭上に
落
(
お
)
ちんとす、進退
維
(
こ
)
れ
谷
(
たに
)
まり
敢
(
あへ
)
て良策を
案
(
あん
)
するものなく、一行叢中に
踞坐
(
こざ
)
して又一語なし、余等口を
開
(
ひら
)
きて曰く、
進
(
すす
)
むも
難
(
かた
)
く
退
(
しりぞ
)
くも亦
難
(
かた
)
し、難は一なり
寧
(
むし
)
ろ
進
(
すす
)
んで
苦
(
くるし
)
まんのみと
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
彼等も
苦
(
くるし
)
んだんだねえ。
赤げっと 支那あちこち
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
かつは
苦
(
くるし
)
みかつ悶え
不可能
(旧字旧仮名)
/
エミール・ヴェルハーレン
(著)
戦地では身体を冷すためよく
痔疾
(
じしつ
)
が起って
苦
(
くるし
)
むものです。痔の出血をとめるにも今のゼラチンを食べるのが一番良いとしてあります。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
網で
捕
(
と
)
ったと、釣ったとでは、
鯛
(
たい
)
の味が違うと言わぬか。あれ等を
苦
(
くるし
)
ませてはならぬ、
悲
(
かなし
)
ませてはならぬ、海の水を酒にして泳がせろ。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“苦”の意味
《名詞》
(ク)苦しいこと、辛いこと
(出典:Wiktionary)
“苦(苦(仏教))”の解説
仏教における苦(く、pi: dukkha、sa: दुःख, duḥkha、蔵: )とは、苦しみや悩み、精神や肉体を悩ませる状態を指す。対義語は楽。
仏教は無常、苦、無我の3つで三相を形成する。四諦の4つすべては苦に関する真理である。仏教は、この苦の滅尽をめざす学問体系である。
(出典:Wikipedia)
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
“苦”を含む語句
苦力
苦笑
苦悩
苦悶
苦痛
辛苦
苦情
苦慮
苦患
苦勞
心苦
苦汁
困苦
労苦
苦衷
滅茶苦茶
苦味
苦行
苦役
苦難
...