“釈迦仏”の読み方と例文
読み方割合
しゃかぶつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同じ古いうちぎ釈迦仏しゃかぶつを懐中に秘めた彼女は言葉すくなに夫とならんで、かぞえ切れない鱗波の川一面にある文様もんようを見入った。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
尾花たか生茂おいしげれる中に、斜めにたてる石仏いしぼとけは、雪山せつざんに悩む釈迦仏しゃかぶつかと忍ばる。——見ればこけ蒸したる石畳の上に。一羽の雉子きぎす身体みうち弾丸たまを受けしと覚しく、飛ぶこともならでくるしみをるに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
彼は立ってみ仏のおわす扉をひらいて、小さい唐渡からわたりの釈迦仏しゃかぶつを一体取り出した。それは耳の中にでも、しまい込まれるほどの小さい御姿をうつしたものだった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)