“勃々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼつぼつ80.6%
ぼつ/\11.1%
むか/\2.8%
むくむく2.8%
むらむら2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで無為軍に美邸をかまえ、ずいぶん贅沢ぜいたくな生活ぶりをやっているが、どうして、なおまだ内には野心勃々ぼつぼつたるものがあるらしい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
永禄元年十月に武蔵守輝国が卒去そっきょしたので、河内介は父の家督を継いで武蔵守輝勝を名告り、今やその勃々ぼつ/\たる雄心に誰も掣肘せいちゅうを加える者がなく
かれく/\午前ごぜんしばらわすれて百姓ひやくしやう活動くわつどうふたゝ目前もくぜんつけられてかくれて憤懣ふんまんじやう勃々むか/\くびもたげた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
声のぬしを早くもれと知ったのであろう、白い物は勃々むくむくと起きあがって、縁のさきへ忍んで来た。障子をるる燈火ともしびの光にすかしてると、それは雪だらけの重太郎であった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と、私の心も寂然しんとなる。その寂然しんとなった心の底から、ふと恋しいが勃々むらむらと湧いて出て、私は我知らず泪含なみだぐんだ。ああ、成ろう事なら、此儘此墓の下へ入って、もう浮世へは戻りたくないと思った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)